馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2005年06月20日(月) 赤い不安

稲葉はお手紙を書くのが苦ではありません。
好きな人・大切な人へ書きたいことがあって書くわけだから、苦であるはずがないんですけどね。

夜中にさらさら書いて、封をして切手を貼って。
翌朝、出勤途中のポストへポイッ。

しかし、このポスト。
これが稲葉にはけっこうな鬼門だったりします。

   ◆

稲葉は不安症なんです。
出かけるときに鍵を閉めたか、電気を消したか気になって家へ戻ることもしばしば。
戻ってみて、鍵が開いていたことは一度も無いんですけど、それでも不安なときは不安。

ポストも同じ。

自分の手元から手紙が離れた瞬間に不安が襲ってくる。
切手は貼ったっけ?
住所や宛名は間違ってないかしら?
のり付けが剥がれてはいないかしら?
昨晩のうちに入念にチェックしてあるから大丈夫なはず。
それでも不安なときは不安。

手紙だけではなく、ポストに対する不安もあります。
ちゃんと中の袋に入ったかしら?
途中で引っかかってないかしら?
一度手紙を入れてから、手を突っ込める所まで突っ込んでパカパカします。
もちろん中の手紙に届くはずはないんです。
でもやっておかないと不安で不安でその場を立ち去れないのです。

やっとポストを離れても、数歩離れた所から振り返る。
そう、ポストの底が抜けて地面に手紙が落っこちてないかのチェック。
この25年、底が抜けてるポストなんか見たこと無い。
それでも確認しておかないと不安で不安で……。

ほんと、無駄なカロリー使ってるなあと思います。

   ◆

さらには、わんぱくなガキがポストの中に水や花火を投入しないか、とか。
凝ったイタズラで本物そっくりに作られた偽ポストじゃないか、とか。

できることなら配達員さんが回収に来るまで見張っていたい。
でも流石に稲葉だってそこまではしません。
いくらかの不安を残しつつ駅へ向かうのであります。

だから、平日の午後3時までだったら郵便局へ直接持っていくことにしています。
そうすれば、不安はいくらか減らせますからね。

ほんと、無駄なカロリー使ってるなあ。

   ◆

そんなだから、数日後にメールで「お手紙ありがとう」なんて言われると、とても安心するんですよ。
届いたぁ〜〜、って。

また、1週間後に、丁寧に書かれたお返事のお手紙なんかが届いた日にゃあ。
やっぱり安心して、そしてそれ以上にとても嬉しくて。

郵便屋さん、本当にありがとう。


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稲葉 馨

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