馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2004年08月22日(日) ♪蛇の目でお迎え

仕事を終えて、電車の中でゆらゆら眠る。

寝過ごすことなく目的の駅で降りたらば、なんと雨が降っている。
やられたぁ。
すっかり油断していたので傘は持っていませんでした。

ま、家までの道のりですから普段なら走っちゃうところ。
しかし荷物にビデオテープがあって、コイツはどうしても濡らしたくなかったので、駅構内のコンビニでビニール傘を購入。

しかしねえ、こういう不意の出費はたった400円とはいえなんとも口惜しいものです。
この出費で今日の仕事の○○分が無駄になったなあ…とか考えちゃう。

ビニール傘なんてのは、もっと安くなるはずなんですよ。
いや、稲葉は業界通ではありませんから、傘の原価なんて知らないんですが、それにしてももっと安くなるはず。
やっぱりコンビニなんかは、雨が降ると「オイシイ」んですかね。
足元見られている、そんな感覚がまた、口惜しさを膨らませます。

だいたい鉄道会社は雨の日なんかに何百本という忘れ傘を手にしているわけでしょ。
で、そのほとんどが持ち主の手に帰ることはない。
だったらこういうときは「ご自由にお持ちください」と書かれた傘スタンドを出すくらいのサービスはしても良いと思うんですがね。
どっかでこういうサービス、している所はないかしら。

   ◆

そんな不意の雨の中。
駅に傘を持って迎えに来た奥さんが1人。
待ってる旦那は30になるかならないかの、若々しいサラリーマン。
奥さんもけっこうな美人で、軽くお腹が出ている。
妊婦さん、なんですね。
爽やかなおふたりさん。
なんとも幸せそうな光景で、上記の口惜しさを一瞬忘れさせてくれました。

さすがに持ってきた傘が1本で相々傘やられた日にゃあ小腹も立ったでしょうが、そこは慎ましく2本の傘。

今時、こうやって傘を持って迎えに来てくれるのは『サザエさん』のカツオ君くらいのものです。
ドラマなんかでも陳腐なシーンになっちゃいます。
コンビニが普及し尽くして、傘が手軽に買えるようになっています。
多少の出費はあるけれど、誰かにわざわざ電話して迎えに来てもらうよりもずっと手軽。

人に迎えに来てもらうのは、人の暖かさが感じられて良いものです。
たった10分をしのぐために傘を買って来週にその傘を電車に置き忘れる、なんてスタイルより、ずっとずっと人間的です。
そんなことができる夫婦、いや、羨ましい。

   ◆

ところでタイトルにもあります「蛇の目でお迎え嬉しいな♪」
ちっちゃい頃「ジャノメミシン」しかイメージできなくて混乱しませんでしたか、皆さん?
ミシンをカタカタ言わせながら迫ってくるお母さん。
お友達には見られたくないよなあ、そんなの。


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稲葉 馨

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