馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2004年08月17日(火) 甲子園のからくり

オリンピック・高校野球の脇で、巨人の工藤公康投手が200勝達成。
いやいや凄いことであります。

   ◆

今年も高校野球、いよいよ大詰めであります。
頑張れ高校球児。

今日は高校野球の応援歌について。
この話題は過去にも『馨絵詞』が始まったその夏に書いたことがあります(当時の日記のタイトルは『会長音頭』というものでしたが)。

甲子園の応援歌で『夏祭り』はどうなのか。
メロディーは気持ち良いんですが問題は歌詞。
「君がいた夏は 遠い夢の中 空に消えてった 打ち上げ花火」というもの。
この歌詞は勝負する男、それもたった1回負けたらそれでオシマイという場で戦う男には優しくない。
正月を過ぎたあたりの受験生の前で「こないだスキー行ったらさぁ、もう思い切り転んじゃってさ。どんどん滑り落ちていって必死に地面掴もうとするんだけど全然止まれないの。結局麓まで傷だらけになって落ちちゃったんだよ、あははは」ってな話題を無神経にする、そんなシチュエーションに近いものがあるのではないですかね。
実際には応援で歌詞が流れることは無いわけですが、神経質な球児にはたまらないのでは?
9回に逆転のランナーを2塁に置いてしまっているピッチャーなんか特にね。

   ◆

さて、前に書いた話題を今また書いたのは、今年も応援曲で気になるものがあったから。
『G1ファンファーレ』がね、鳴っていたんですよ、甲子園で。

競馬界で最高峰の格付けがされたレースを「G1」といいます。
その出走直前に演奏される曲が、正しい曲名なのか知りませんけど『G1ファンファーレ』なんですね。
「♪パー パラパー パパパー パラパパー パプパパー」って感じの…。
ああ、字で表すのは難しいなあ。
とにかく、この曲が響き渡ると東京競馬場(に限らないけど)に詰め掛けた20万人がウォオォーとやるわけです。
勝負の場においてテンションの上がる、勇ましい旋律を持っています。

ただね、同じ勝負の場でも高校野球にはそぐわないのでは? と老婆心。
「健全」をテーマとする高校野球で競馬(ギャンブル)の曲です。

でも、テーマ的には合わないかもしれないけれど、甲子園の雰囲気には意外と合っていたんです。
やっぱり「勝負」の曲だから、なんでしょうかね。

あとは甲子園の客席の安っぽい(←褒め言葉と取ってほしい)ブラスバンドにかかるとどんな曲も「甲子園応援曲」になってしまう、という効果も無視できません。
『ルパン3世のテーマ』も『夏祭り』も『G1ファンファーレ』も、アニメやカラオケや競馬場ではそれぞれの個性を持っている曲でも、甲子園では「夏の応援歌」に一括りで変化してしまう。
これって、けっこう凄い影響力ですね。

だったら『夏祭り』も『G1ファンファーレ』も、そんなに気にせずに聴けば良いなあ、となるわけです。

とにかくも、頑張れ高校球児。


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稲葉 馨

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