馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年12月23日(火) 阪本監督の試写会

天皇誕生日で祝日です。
そして、ある映画の試写会がありました。

   ◆

今年の5月末、阪本順治監督の撮影にエキストラとして参加していました。
撮影中の日記は下のリンクを参照くださいまし。
作品がめでたく完成し、試写会の案内を頂きました。
『この世の外へ クラブ進駐軍』とタイトルを少し変更しての公開となりました。

オダギリジョーさん、松岡俊介さんの舞台挨拶が急遽行われました。
予定にはなかったことで、会場は盛り上がってました。
もちろん阪本監督の挨拶もありました。

外国人エキストラが多い作品で、この試写会にも外国人が多く見られました。
だから監督や役者の挨拶をデイビットさんが通訳して話します。
このデイビット氏、撮影の時と比べて髪がふっさふさになってて驚きました。

監督も役者も、松竹の宣伝部長さんも手を腰の前で組んだ格好でマイクの前に立っているのに、デイビットさんは両手をポッケに突っ込んで仁王立ちで喋ってました。
文化って違うんだなあ。

   ◆

肝心の本編ですが、外国人エキストラのために日本語の台詞に英語の字幕が付いていました。
もちろん英語の台詞には日本語の字幕が入ります。
日本語なのにわざわざ英語の字幕が入るってのは少々鬱陶しいものがあります。
慣れてしまえばいいんですが、しばらくは戸惑いました。

英語の字幕は試写会のみのもので、実際には字幕は入りません。

稲葉も参加したクラブのシーンになった途端、字幕の気持ち悪さも吹っ飛んでしまいました。
たった半年前にたった5日間しかいなかったセットなのにね、むちゃくちゃ懐かしくて。
そうそうあの壁の色、床のにおい、所狭しと置かれたテーブルと料理。

このクラブは映画の中でメインとなる場所で、劇中通してもっとも長く流れます。

   ◆

さて懐かしさに浸ったら、当然次は自分の姿を探してしまうわけです。
たくさんのアメリカ兵の中を縫って歩く白い服着たボーイさん。
探しやすいっちゃ探しやすいんですがね。
あんまりはっきりとは映ってませんでした。
そりゃあ最初から期待はしてませんでしたが、それでもがっかりはします。

この現場で偶然一緒になった後輩がいます。
同じボーイさん、つまり同僚同士の役で共演しました。
彼も稲葉と同様に役者になるべく頑張っています。
頭が良くて面白い男で、彼と一緒だったために撮影がより楽しくなりました。

彼のほうはけっこうちゃんと映ってました。
主演の萩原聖人さんのアップの向かって右側、ピントはぼけていますがかなり大きめにそして長めに彼が映ってました。
いいなあ。

映画が終わった後に彼と食事をしました。
同じ夢があって、なおかつ立ってるラインもほぼ同じなので、悩んでることとかも似ています。
とても話がしやすい後輩の1人。
今回の現場で一緒になったのはまったくの偶然なんですが、でもたまに会って話をしたい男であります。
さらに願わくは、またどこかの現場で、今度はメインキャスト同士で出会いたいものです。

   ◆

参加したクラブのシーンは自分探しに気が行ってしまうのですが、それ以外の場面は純粋に楽しめました。
台本は読んでいたんですが、やっぱり映像が入ると段違いになります。
終戦直後、瓦礫の残る街の中で、楽器を担いだ若い男5人が手を取り合って気合を入れるシーンはカッコいいですよ。

まだ内容を詳しく喋るのは控えますが、最後の歌のシーンはぐっと来ます。
笑いの要素もバランスよく入っていて退屈しない2時間かと思います。

来年の春、全国ロードショーとなります。
もしよろしければ、足をお運びになってはいかがでしょうか。

阪本監督が舞台挨拶で、この映画の宣伝を頼むと言ってました。
こんな形で協力してみました。
面白いのは確かですよ。

   ◆◆◆

【関連記事リンク】
2003年5月30日『日活通い・♯1』
2003年5月31日『日活通い・♯2……外人相手の現場』
2003年6月1日『日活通い・♯3……休憩中♪』
 いずれも今回の記事の撮影現場にお邪魔した時のものです。
 懐かしいなあ。


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稲葉 馨

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