馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年06月22日(日) 遊べる大人

遊んでばっかりいる大人はダメです。
ですが、いつでも遊べる大人、ではいたいと思います。

大学のころ、複数のサークルの代表者で行く合宿が毎年夏にありました。
上級学年になって「オブザーバー」という立場でこれに参加しました。
一番上の先輩がはしゃぐのはどうかな…なんて考えながら、海で遊んでる後輩を見てました。
でもいつの間にか、自分も頭まで海水をかぶってました。

どっしり構えているのが大人かもしれませんが、走り回る喜びは忘れたくないものです。

   ◆

劇団の企画で「新宿大鬼ごっこ」をやりました。
新宿西口、都庁周辺と新宿中央公園のおよそ6百メートル×9百メートル四方の範囲での鬼ごっこ。
実は1年半ほど前にもやっていて今回が2回目のこの企画。

前回は2劇団の対抗戦でやって完敗しました。
今回は劇団内での紅白戦。
鬼班・逃げ班それぞれ4人。

まず逃げ班がエリア内に入って隠れる場所を探します。
30分後に鬼班が行動開始。
そこから1時間30分の攻防戦です。
以上の2時間をワンセットとし、2時間経ったら攻守交替となります。

携帯電話の使用は自由。
かかってきた電話に出る、出ないも自由。
相手方への謀略・策略なんでもあり。
建物の中は進入不可、ただし地下通路はあり。

   ◆

稲葉ははじめ、逃げ班になりました。
都庁舎広場で仲間と別れて新宿中央公園に入りました。
冬に行われた前回と比べて、木や草が鬱蒼としており、逃げる方にとっては都合の良い環境でした。

公園内案内板の裏の茂みの中に身を隠します。
夏ですから暑い。
茂みの中ですから虫、特に蚊の類がうるさい。
んもう。

友人同士の遊びの企画とはいえ、「鬼」に追われるってのは本気で怖いですよ。
茂みの隙間から垣間見える人影にびくびくします。
乗り物は使用禁止って知ってるのに自転車の音がすんごい気になる。
おじさんや公園の管理者が稲葉の近くをウロウロするのですが、気づかれる気配がなく、少し落ち着きました。

1時間ほどで3人のすべての仲間が捕まったという報告が入りました。
仲間からの電話なので間違いなし。
あら。
4人の鬼が稲葉ひとりを明確な目標として追っていることになります。
こわ。

あと30分となったところで茂みを脱しました。
仲間たちがビル群で捕まったので、ビル群を一通り探し終えた鬼が公園に入ってくるであろう、という読みによる行動です。
鬼たちと入れ違いで公園を出られりゃしめたもの。
都庁前の歩道橋は広い上に遮蔽物が何もない危険ゾーン。
危ない橋を渡るって、こういう状況を言うんでしょう。

タイムアップは都庁の真下で迎えました。
無事逃げきり、鬼の女の子の悔しそうな顔が最高でした。

   ◆

こんどは鬼。
稲葉はビル群を担当。
したら結果的に敵は全員公園側にいたらしく、稲葉は空振り。
あれ。
都庁の周りに3組、いちゃこいてるカップルがいました。
こちらが1周して戻ってくるたびに、太陽が沈んで涼しくなるにつれて密着度が上がっていきました。

追われるより追う方が気は楽ですね、やっぱり。
でも疲れるのは変わりありません。
周囲をジロジロ見るから、周りの人の「ナニモノだこいつは?」的な視線が痛い。

3人までは順調に捕まえていったのに、最後の1人がどうしても見つからない。
いちど全鬼終結して、作戦会議。
遊撃の1人を残してエリアの北半分にローラー作戦。
…の甲斐もなくタイムアップ。
ちくしょう。
ローラーかけた範囲の茂みの中にターゲットはいたそうで、つまりは見落とし。
くやしいぞ。
結果的には両チーム4人中3人が捕まり引き分け。
ふう。

   ◆

なんてことを、初夏の1日を使ってやってたわけです。
遊んでばっかりいる大人はダメです。
ですが、いつでも遊べる大人、ではいたいと思います。

追われるときにちゃんとドキドキ感を味わえる
草まみれになるのも構わず茂みの中に入る
刑事ドラマのようにキョロキョロしながら走り回る
いつまでも、そんなことが恥ずかしげもなくできる大人でいたいと思います。

しっかし暑かった。


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稲葉 馨

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