馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年06月20日(金) 明日を探せ

稲葉は今年の春に大学を卒業いたしました。
つまり社会人1年生ってわけです。
トモダチ100人できるかな?

社会人っつっても定職を持っているわけではなくて、いわゆるフリーター。
準・社会人とでもいうんでしょうか。
いや、ぷーたろーといいますかね、普通は。
とりあえず学生ではないわけで。
ふむ。

   ◆

大学で稲葉の後輩だったやつらが、4年生や3年生になってきています。
稲葉の感覚ではついこないだまで1年生だった彼らが、今では大学の上級学年に来ています。

大学の上級学年になると、大きく話題になるのが就職活動。
不景気といわれて久しい世の中、学生さんは苦しんでいるようで。
稲葉の代でも就職が出来ないでいる友人がたくさんいます。
卒業名簿で就職先が書かれていない卒業生の方が多いんですね。
うちは芸術学部ですから、ほかの大学・学部と比べて就職率が低いってのもありますがね。

そんな中、この春から初夏にかけて、後輩たちの就職内定の知らせを多く聞くことができました。
我がことのように嬉しいですね。
みんな、おめでとう。

   ◆

稲葉は就職していません。
できなかったのではなく、しなかったのです、最初から。
だから就職活動のなんたるかが全然わかりません。
エントリーシートとかいう単語を知っているくらいです。
で、エントリーシートって結局なんなんですか?

就職をしなかったのは役者として喰っていくという大望あるがゆえです。
稲葉のいた映画学科演技コースの友人はほとんどそんな感じです。
オーディション受けたりするのが、我々にとっての就職活動になりますね。
ふむ。
どこに就職活動をかけるかを選ぶ同輩の隣で、就職しないことを選びました。

就職先を決めるのも1つの決断ですが、就職しないってのだって決断なんですよ。
これだって結構、勇気いるんだから。

   ◆

中にはダメダメな理由で就職してない人もいるわけだけれど。
億劫だとか面倒だとか。
そんな人はやっぱりダメダメ。
稲葉たちはそんなダメダメさんとは違うのだけれど、そこを分かってもらえないときもある。
そんなとき、居づらいのですよ。

大学の下級学年、つまりまだ就職活動に直接関わってこないような後輩からも揶揄されたりしたものです。
やれプータローだの働かざる者だの。
いや、もちろんネタ半分であることは承知しています。
こっちも笑って返して済ますんですけどね、たいていの場合。

しかし、たまたま虫の居所が悪いときに言われてカチンときたこともあります。
たまたま弱っているときに言われて道を見失いかけたこともあります。
自分の未熟さを痛感しますね。

冗談であることは分かっていますが、それでも就職はおろか就活さえしていない学生さんに言われたかぁないですよ。
社会的にはぷーたろーでも、すくなくともお前よりは真面目に生きてるって。

完全に理解されるとは思わないけれど、
後ろ指さされたり、ご丁寧に説教してくれた人もいたわけだけれど、

就職していない今の稲葉のありようは、ちゃんと考えて下した決断によるものなのです。
大げさに言やぁ、稲葉の誇りなわけです。
今に見ていろ、こんちくしょう。
へへへ。

   ◆

とはいえ、就職内定を決めている人は立派だと思います。
頭が上がりません。
必死に就職活動をしている人もまた立派だと思います。
きっと稲葉と同じかそれ以上に悩んで考えてるんでしょう。

映画美術の会社に入ったり、撮影現場の助監督になって着実に歩んでいる同輩がいます。
『スター名鑑2003』に写真付で載っている同輩がいます。
うーむ。

嬉しそうに内定得たことを報告してくれた後輩がいます。
彼らはちゃんと、学生さんの枠を超えつつあります。
うーむ。

いくら偉そうなことを言っていても、今の稲葉は彼らほど立派ではありません。
ま、立派にはなれなくても、せめてダメダメじゃなくはなろうと思います。
今に見ていろ、こんちくしょう。
ふんふん。

   ◆

記事の日付は6月20日(金)ですが、書いている現在は23日(月)です。
稲葉の鬱屈を解きほぐし、上の文章を書かせてくれた1人の後輩に感謝します。
貴方も就活がんばれよ☆。

明日はブライダルプランナーの学校に通っている友人の卒業式。
これに式の記録撮影と上映オペレーターとして参加します。
ブライダルプランナーのタマゴたち、彼らもまた立派ですね。


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稲葉 馨

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