馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2002年07月07日(日) 『のんびり日報』熱闘編〜大千秋楽

大千秋楽!
天気は快晴!
にしてものんびり企画、仕込みから本番まで本当に天気に恵まれたものだ。
皆が日ごろから頑張ってたからかしら。

この日は小屋入り時刻には数えるほどしか人間がいなかった。
疲れてるからね。
この日はほとんど手直しも無くてすこしゆっくり出来た。
照明のけあま殿の表情にも余裕が出ていてよかった。

昼公演。

それにしてもお客さんの笑いって快感だ。
稲葉はお客さんの笑いを見てニヤニヤしながらフェーダーに手をかけていた。
そして自分の企画であることを忘れて思うのだ。

この芝居は面白い…と。

   ◆

役者それぞれに5分以内で自分の最も好きな、テンションの上がる曲を持ってくるように言った。
空き時間にMDにまとめ、本番前に流した。
曲がかかったとたんに踊りだすやつ、奇声を発する奴、静かに聞いてパワーをためている奴、反応が色々で面白い。

ところで箱殿の持ってきたのはラーメンズのコントだった。
おおいに笑わせてもらった。

さてこの日も怒涛の2公演。
しかもバラシがあるためソワレ(夜公演)は昨日より1時間早く始まる。
気合入れ直前にスペシャルエチュードをした。
舞台上で役者に好きなことをやらせ、音響と照明もそれに乗っかって遊ぶ。
稲葉とけあま殿と企画立ち上げの頃からぜひやろうやろうと言っていた。
やれてよかった。

最後の気合入れ。
気合入れのときに言ってた言葉はほとんど即興だったが、ラストの台詞だけはちょっと考えていたりする。
企画書を提出する前から考えていたりする。
なんだかなあ。
海里殿にかっこいいといわれ、稲葉嬉しい。

   ◆

そして千秋楽が始まる。

ストーリーが進んでいくということは、ストーリーがひとつひとつ終わっていくことでもある。
この舞台でこのメンバーでやることはもう2度とない。
全ての場面、全ての台詞を大切にしてほしい。
この100分間には2ヵ月の熱気が凝縮されていた。

由利子の父が「かおる」になっていた。
お父さんの生きていた頃…とか言われた。
ころされた。
ああ。

「目ぇつぶってよ」といいながらnukushi殿がこっちを見てた。
つぶってやるよ。
だって千秋楽だもん。

   ◆

終わると感慨にふけるまもなくバラシが始まる。
青木由利子の喫茶店があっという間にその姿を消していく。
あっけないものだ。
喫茶店のかべだったのもただのパネルとなり倒されていく。

さようなら。
とうとう店に名前を付けてやれなかったな。
由利子さん、ごめんね。

バラシになったら役者も裏も関係ない。
女優さんだってジャージ姿で汗をかくのだ。
暑いけど、いい汗だね。

稲葉とけあま・熱海殿両照明はブースの整理。
5日間のほとんどを過ごしたブース。
狭くてくそ暑い空間だけど、作品に色をつけてくれた部屋。
ばいばい。
また来れたらいいなあ。

とにもかくにも。


『精一杯にのんびりと』

ここまで。

そして打ち上げが始まるのだった。
それはまた次に。


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稲葉 馨

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