馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2002年07月04日(木) 『のんびり日報』仕込み編〜ファイナルカウントダウン

仕込み2日目。

ブースの中は狭くて天井低くてそのうえ暑いの3重苦。
休憩で外に出たとき、めったに肩のこらない稲葉が激しい肩こりを訴えた。
たまたまいた☆殿に肩を叩いてもらった。
とんとん……きもちいな。

ということでブース内を快適にした。
お尻の下に客席用のマットをしき、さらに肘置きまで設置。
扇を広げれば殿様気分さ。
脚立の上の照明隊や舞台裏の舞監衆に申し訳なかった。

   ◆

音響のレベルチェックではコウジ殿にブースに入って音出しをしてもらった。
とてもきびきびと仕事をしてくれてレベルチェックはスムーズに済ませられた。
ああいう素早さは現場ではとても大切だね。
さんきゅう。

昨日も今日もお昼ご飯はマクドナルドさ。
ストアで芝居をやるといつもそーなる。
芝居中に食べたカルビマックの味が忘れられない。

食事したら再びブースへ。
休憩時間返上でけあま殿が調光卓と格闘し、舞台上では佐川・守谷殿2人の照明参謀と物井殿が脚立を行ったり来たり。
今回、照明がもっとも大きな不安要素であったし今もそうであるが、参謀の助けによってなんとか本番を迎えられそうだ。
けあま殿も必死に卓に向かっており、隣にいる稲葉としてはその気迫というかなんちゅうかに信頼感がふつふつと…こう…ね。

ゲネ前、音響のスタンバイが完了したあと、作業をしている舞監衆・照明隊をブースから見ていて、とても幸せな気分に包まれるのを実感した。
3ヶ月前の稲葉の「やりてえ」の一言に皆ここまで付き合ってくれている。
A4・4枚の企画書から、かくも立派な舞台空間が生まれてきた。
感無量ってのはまさにこのことなんだろうねえ。
はあ。

   ◆

素晴らしきのんびりやたち。
現場よりの声をお届けします。
最後に控えしはこちら。

制作・阿部千里。

やっとここまで来れた、というのが正直な気持ちです。
この二ヶ月で仕事に対しての自分の姿勢や考えがほとんど改めさせられました。
根気強く見守ってくれた先輩方、相方、そしていつも明るくて一生懸命な、一緒にいると本当に元気になれる一年生達あっての、今の私です。
明日の最後の仕込みと本番3日間、きっちり制作の仕事をやり遂げたいと思います。


   ◆

彼女はamp殿に次いで早くに企画への参加を言ってきてくれた。
とりあえず、役者にamp殿、裏方に彼女を得たことで、企画の遂行を決断した。
彼ら2人は前年の芸祭で芝居企画を仕切っており、確実な実績のある点で信頼していたのだ。

彼女の視線には底の知れなさがある。
基本的に無口というか大人しいが、しかし絶対に何かをしっかり見据えたような眼をしている。
これはすごいぞ。
稲葉は「いい格好しい」の男だが、彼女の前では本気でしっかりしようと思うのだ。
別に稲葉が普段はいいかげんってわけじゃないけど。
彼女がそこにいること、それをとても大切にしたい。

今回は由梨殿とともに制作をしてもらった。
皆からは見えにくいところで、しかし確実に仕事をしてくれた。
あまり言ってこないので大丈夫かなと思うが、いざ蓋をあけてみたらしっかり片付けられていたりする。
彼女のような人がいると、役者も裏方衆もそれぞれの現場に集中できる。
制作は大事だね。

   ◆

さてさて、カメラ5台が見守る中、最初のゲネが行われた。
意識をけっこうオペに持っていかれたので、稽古場ほど冷静に役者は見られなかったが、何とかなるという最後の確信を得た。
けあま殿もなんとかオペをやりとげた。
役者も裏方も、舞台が始まる前と途中の緊張感、終演後に一気に訪れる開放感、この感覚をもっと抱きしめて。
本番はもっともっとすごいから。

映像隊よりテープ10本を受け取った。
芝居が終わったら、夏休みに卒業制作と並行して形にしてみよう。
物井隊長始めとする映像隊、ありがとう。

   ◆

帰りはほとんど夢の中。
ホームでもふらふらしてるから危なっかしい。
ストアハウスの真下のたんぽぽ(漫画喫茶)で寝ようかなあ。

明日は午前中に手直し、正午よりラストゲネ。
このゲネでは今度は守谷殿がスチール写真をとってくれる。
ゲネ後、再び手直しをし、したらいよいよお客様がやってくる。
昨日・今日と時間が大いに押した。
お客さんは待ってくれないのだ。
ああここまできてしまった。

いざファイナルカウントダウン。

本番まであと日!


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稲葉 馨

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