読書日記

2003年05月26日(月) 東野圭吾『手紙』など。

東野圭吾『手紙』(毎日新聞社)読了(昨日)。
強盗殺人で懲役15年の兄を持つ青年の人生はどうなるのか。禍福はあざなえる縄の如しというが、殺人犯の兄の罪がその弟につきまとって生涯離れない物語の中で「福」は「禍」に包まれたままである。しかし、最後にその弟が見たものは・・・・・・。
読み終わり、福永武彦を連想した。
大人のための童話と呼んでも良いような厳粛さと優しさを持った佳作。
映画化を待つべきでない小説。
宮部みゆき『ドリーム・バスター2』(徳間書店)読了。
SF的ファンタジー。主人公は人の夢に潜む邪悪な犯罪者を捕獲する仕事人たるドリーム・バスターである。壮大な物語になりそうだが、現代日本の若いOLや幼い子どもが対象になっているせいか、こころやさしいファンタジーの域を出ていない。
二つの中編から成り、結末は続編へ、となって終わるので「3」を待つことになる。
和田秀樹『大人のための勉強法』(PHP新書)を速読。
速読というよりは飛ばし読み。題名の通りの内容で具体的実践的。一種の評論エッセイとして読んだ。
先週は城山三郎週間として結局読んだのは、最新エッセイ集『この命、何をあくせく』と古い紀行文『アメリカ生きがいの旅』(文春文庫)中の「シリコン・バレーの落日」、小説『雄気堂々』と『落日燃ゆ』の冒頭をちょっと、というありさま。
今週は、石川達三週間でいく予定。手元にあまりその本がないのが心配。


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