読書日記

2001年08月29日(水) 早川書房の「ミステリマガジン」と「SFマガジン」はエッセイの宝庫か。

早川書房の「ミステリマガジン」と「SFマガジン」はエッセイの宝庫か。
 「ミステリマガジン」と「SFマガジン」の10月号が届いた。両誌とも作家特集を組、前者は未発表中短編三作の発掘が売りのロス・マクドナルド特集で、後者は<知性化>シリーズの新作宣伝をかねてのデイヴイッド・ブリン特集である。いつものように書評を中心に拾い読みした。
 両誌ともに連載エッセイやコラムが多いが、「ミステリマガジン」の方に軍配が上がる。「SFマガジン」にはSFという枠組があるせいだろうか。「ミステリマガジン」のテーマの幅広さと自由度の高さにはかなわないようだ。
 今日段階の個人的エッセイ・コラム大賞は、小熊文彦氏の「彼らもまた忘れられた」 第31回「ワーロック」である。読みの深さ、的確さと手堅い文章。他の誰かが書いたことのない独特の視点の紹介。相当の勉強と工夫が背景にあるにちがいない。一冊の本にまとまったら映画についての稀有な一冊になることはまちがいない。
 「ミステリマガジン」は本当に書き手が多い。通常の書評以外の連載評論・エッセイが八本、コラムも同じく八本。どれもが充実した文章、内容である。
 「SFマガジン」も負けていない。
 両誌合わせて1000号を既に越え、1094号。その歴史の重みが感じられる。もうすぐ、合わせて1111号の月がやってくる。
 
 「ちくま」「本」の9月号も届いたが、ひらひらとめくって今日は終わり。

 久しぶりに購入した本は以下の通り。読み終える当てはあまりない。
「双頭の鷲 上・下」(佐藤賢一)「母娘練習曲」(中井じゅん)「過ぎ去りし日々の光 上・下」(クラーク、バクスター)「ハノイ挽歌」(辺見庸)「タクラマカン」(スターリング)「黄金時代」(椎名誠)「兵士を見よ」(杉山隆男)


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