さて、宝塚もみて関西からもどってきてからの私は、レッスン する以外はほとんど自宅にいてじっとした数日をすごしてました。 自分は「シーラカンスみたい。」と思ってその地味な生活を 気にいっていたのですが、あんまり物を食べなかったので、 いい加減立ちくらみするようになってきて(笑)、翌日からの 仕事にむけて食生活は通常モードにもどして今日でまた、すべ てがほぼ普段どおりになりました。 シーラカンスは基礎代謝が低いので、ずっと食べなくても生き ていられるのですが、私は燃費がわるいというか食べないと 生きていけないみたいです。 しかも、あんまり食べないでいると、お金がかからないという ことに気がつきました。 それだけ私の普段の食費はものすごいということです。いつも たくさん食べてないと何もできないって、不経済なんですね。
このまえ、一度は飽きたと思っていたはずの押尾学のドラマ を録画するつもりで(なんだかんだいってやはり気にいって いるらしい)チャンネルをまちがえて全然関係ない番組を とってしまいました。私は野球中継などで、時間がずれたの だと思ってしばらく辛抱してみていたんですけど最後まで 押尾学はでてこなかった。見れないと思うと見たくなる。 ので、かたつけてあった写真集をみたらやっぱりかっこいい じゃないですか...。 というかそれを話したいのではなくて、その、関係ない録画 のなかに感動のシーンがあったのです。 それは、タレントが島にでむいてその生活をレポートするみ たいな番組でしたが、その島のおばあちゃんのくらしの様子 がとてもよかったのです。 なにかのお料理につかわれる、「ながにんだ」というにんに くのペーストをつくっているおばあちゃんの話し。長崎の にんにくを使っていて、「だ」はその地方の強調する意味の ことばで、そのおばあちゃんが思い付いた名前らしい。 「ながにんだ」はラーメンなどにつかわれる食材ですが、 これをつくるのに8時間かかります。そのにんにくは新鮮さ が大切なので、作るたびに畑からほりおこしてくるのです。 わたしは思いました。にんにく料理を8時間もかけてして いたら、においがついてしばらく離れないだろうなと。 やってられないです。 いちいちほりおこすのもめんどくさいし、畑でそだてること ジタイ日に焼けるし手間かかって絶対できないし。 いくらおいしくたって私はできないなと思っていたら、 そのおばあちゃんは、作り方を説明しながら、 「みんなが喜んでくれたらいいなと思ってね」っていった んです。か、感動した...。押尾学めあてでビデオが無駄に なったとおもっていらついていた私の心は一気に泣き虫 モードになった。
みんなといってもそのおばあちゃんは食べる人の顔を直接 みる機会はないでしょうに。離島でひとりぐらししながら 「みんなのよろこぶこと」をしようとするおばあちゃん。 なんてグローバルな視野を持った人なのでしょう。 おばあちゃんの左手にはおそらく若い頃は薬指にはめて いたであろう結婚指輪が違う指にはめられていました。 きっとだんなさんは先になくなってしまわれたのでしょう。
そのタレントさんはギターをもっていて、おばあちゃんの ために歌をつくって捧げてました。 「島でながにんだをつくるおばあちゃん ひとりぐらしもさみしくはない みんなの幸せねがってるから おばあちゃん ありがとう」 という歌でした。
その歌の、「みんなの幸せねがってるから」っていうところ でおばあちゃんはちっちゃい身体をふるわせて涙してました。 ううう... そのおばあちゃんは、かわいくて明るくて元気いっぱいな人 でした。でもそこで泣いちゃってたの。素直な繊細さをもって いる人なんだなあとおもったの。子供が素直なのはあたりまえ だけど、年令をへているからこそその繊細さが魅力的にうつる のです。わたしは、お金があるとかこぎれいなマンションにす むだけが理想の老後じゃないと思いました。ちいさな昔風の家 にすんで、畑で野菜を育てて、にんにくの皮をひとつひとつ手 でむいて...、私にはその姿がとても美しく思えたんです。 私はその姿に、おばあちゃんが普段どんな気持ちですごして きたか、みんなのことだけじゃなくて、だんなさんのことも どれだけ愛してきたか、愛されてきたかっていうすべての 苦労と幸せがまざったひとりの女性としての美しい一生を感 じたよ。にこにこして愛くるしくて、幸せそうな笑顔の小さな おばあちゃんだった。私はああいうおばあちゃんになれる のかなあ。なりたいな。しわだらけになるのがイヤとか、 そういう気持ちはぶっとんでしまった。そんなことはどうで もいいと思う。どんなに大変な人生をあゆんでいくにしても、 「みんなのよろこぶこと」のためになにかてづくりのこと をしていられる、幸せそうな顔をしたおばあちゃんになりたい って思った、なんていうか、そういうおばあちゃんになれる のなら何があったって乗り越えられるんじゃないかって、 生きていく勇気がわいた。
いつも思います。本物の感動は涙だけでなく勇気をくれる ってね。おばあちゃん、ありがとう。おばあちゃんになるま でおばあちゃんのこと忘れないでいたい。もしもあのおばあ ちゃんに会うことがあったら、あったかいタオルで手をふい てマッサージしてクリームぬってあげたいな。そしてちっち ゃくてかわいい手だね〜っていいたいな! あのおばあちゃんを、突然に愛してしまった。
|