雑 記
DiaryINDEX|past|will
2019年09月14日(土) |
コーヒーが冷めないうちに |
やけに馴染みのあるフレーズだったんですが、本だったんですね。 元々は舞台脚本だったみたいですが、こちらはPLが疎いので、多分、書籍化され、本屋大賞にノミネートされてなんとなく引っ掛かっていたのでしょう。 いつものように、読みたい本を探して図書館の蔵書検索をかけていて発見したものでした。 そうかー本だったんだ、すっきりしたわー(笑) タイムトラベルものなんですが、冒険とは無関係で、それぞれの人生の中で起こった極々個人的な事柄についてのお話です。 泣けます……哀しい涙もあるんですが、優しさだったり、強さだったり、希望だったり、様々な出来事が教えてくれる物語ですね。
フニクリフニクラ、それは過去へ戻ることができるという噂の喫茶店の名前。 いくつかのめんどくさい手順さえ踏めば過去へ戻れるという。 過去へ行っても、未来は変えられないところから、実際に試す人は少ない。 過去での滞在は店員が淹れたコーヒーが冷めるまでであり、万が一、冷めきる前に飲み干せなかった時は、そのまま囚われてしまう。 そのようにして、囚われた女性が常に座って読書している席こそが過去への扉である。 女性は幽霊であり、意思の疎通はできず、無理やり退かそうとすると呪われる。 一日に一度だけ、トイレに立つその時こそ過去への扉が開く。
という内容なんですが、読み切り形式の短編集であっても、追々その女性の出自なども明らかにされていき、こういった連作は、好きですね。 今、全部で3冊出版されているのかな。 しばらく、ひっそりと楽しむこととします。 なんとなく、そんな気分にさせる本です。
そりゃ、泣いちゃうからだろうが←本人突っ込み。
|