日英双語育児日記
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2005年08月29日(月) エアベッド

イギリス祖父母の家でTとSは、エアベッドを床においてもらって寝ていた。家族四人で一部屋使わせてもらって、主ベッドの両脇にエアベッドひとつずつ。

子連れ帰省するようになって四年目、子供の寝具・ベッドが毎年頭を悩ませるところだったのだが、ようやくこの形に落ち着いた模様。レンタルしてもらってあった柵のついたベビーベッドに、TやSが慣れなくていやがったり。日本では「床」に寝ているのだからこれでもいいのかな、というかんじで用意された「イギリスのカーペットのうえに一枚薄目のマットレスを敷くだけ」というのが、私には、「日本の畳とは違うんだから、それではあまりにも直置きでは?」と思われたり。

エアベッドは幅は80センチくらいと狭いが、大人用なので長さはきちんとあり、そもそも簡易ベッドとして作られているのだから床置きでも違和感はなかった。今年は掛け布団が、大人と同じ大きさのものがきちんと用意してあったのも、ありがたかった。去年までは、シーツと毛布を重ねて一緒に織り込むものが、子供が寝ているあいだにくちゃくちゃになってしまうことが常だったので。子供達も、「自分のベッド」が用意してあるのが嬉しかったらしく、「Tのベッド!」「S、ベッド!」と喜んでいた。ともあれ、サンキュー・ベリー・マッチ、グラニー。



そういえば、昨年は、イギリスで祖父母と出かけた先で泊まった宿で初めて寝た二段ベッドをTとSがとても喜んだので、帰国後、秋に、使っていなかった部屋を片づけて、二段ベッドを買って入れて、子供部屋が生まれたのであった。

今年の小旅行では、泊まった家族部屋が、最上階の屋根裏で、屋根が斜めに下がってきているところに淡い色調の木のベッドがこじんまり修まっている様子が、Tはたいそう気に入ったらしく、部屋にはいるなり、ベッドに駆け寄りGreat!と叫んでいた。

Sも、もうひとつのベッドを自分のものと決めて、S bed, S bed! と嬉しそう。子供にとって、自分専用のベッドがあり、自分のための居場所が用意されているということは、特別に嬉しいことなのだろう。


エアベッドは日本に帰る日の朝、荷造りをしながら空気を抜いて片づけてしまった。子供達は庭で遊んでいて、それを知らなかったのだが、昼食を食べるまえに、手洗いを使いに二階に上がっていったSが、寝室を覗いてエアベッドがなくなっているのに気づき、階下におりてきて、S bed gone! S bed gone!と無邪気に叫んでいた。そのあと、Tの姿が見えなくなったので、探しにいったDが、ベッドのあった床に元気なく寝ころんでいるTを見つけ、抱えて下りてきた。

少し前まであんなに元気に、昼ご飯の用意をしていたのに、どうしたのだろうと訝しがる私や祖父母に、TはTired, tired. を繰り返すばかり。Dが、エアベッドがなくなって、急に、もう帰るのだということが実感されたんだろう、と言い、Are you sad because we are leaving soon?というと、Tがわーっと泣き出した。なぜ急にtiredになったか、Dに言われてみるまでは、自分でも自分の気持ちがよくわかっていなかったのだろう。

三月頃から、夏のイギリス行きを心待ちにして、カレンダーを見ていたTにとって、本当に、楽しい二週間だったようだ。祖母もWe are sad, too. We will cry.などと言ったりして、みな、しんみり、ほろり。祖父が、Dが今のTと同じくらいの年のころ、休暇旅行が終わって家に着いたときに大泣きした話をぽつりとしたり。

昼食の間中、しょんぼりしていたTであったが、食後、祖母がそれまでまだ開けていなかったおもちゃ(祖母が毎週送ってくれていた雑誌の付録を郵送せずに箱にいれてしまっていたもの)を出してきたので、Sと一緒に、つぎつぎに開けてみるうちに、また元気になり、飛行場まで送ってもらう車中で昼寝をしたあとは、また飛行機に乗れるのが嬉しくて、たったかたったか先頭を走っていったTであった。


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