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■ 幸せを呼ぶ 青い鳥
昨年の初冬の事である。 行き着けの波止で釣りをしていると、 なんともコギタナイ鳥が飛んで来た。 そして、私の周りを飛び回るのである。 シッポを入れても私の精一杯に広げた手と同じくらいの小さな鳥で、 色は土色にくすみ、何の模様も無い。
最初は、何の為だか分らないでいた。 が、私が釣り場を離れると、すかさずマキエを啄んでいる。 なるほど、マキエの中のムギが目当てだった様だ。
私が釣り座に戻り、マキエの中のムギを4、5粒投げてやると 警戒しながらも、美味しそうに食べている。
たまに、ピーピーと鳴くので勝手にピーチャンと名前を付けた。 ピーチャンも私の事を覚えたのか、釣り場に私の車が止まると、 ドコからともなく飛んで来るようになった。
不思議なモノである、ピーチャンと名前を付けた事がキッカケで その鳥は、無数にいる野鳥の中から唯一の存在となり、 ピーチャンも私を、無数にいる釣り師の中から記憶すべき 存在とした。
そして、ピーチャンが来る日は必ず、寒チヌが釣れた。 風向きが悪く、釣り行くのを考えた時も 「この寒空、ピーチャンはお腹を空かせてはいないだろうか?」 と心配し釣り場を訪れると、やはり良チヌに恵まれたりした。 いつしか私にとっては、幸せを呼ぶ鳥になったのである。
そのピーチャンが、3月に入り体色を変えた。 真っ青な光沢のあるキレイな鳥に化けたのである。 突然の出来事に戸惑った。 しかし、飛び方や泣き声、何よりもその小さな目をした表情は 何ものでも無い、ピーチャンそのものだった。 正に、幸せを呼ぶ青い鳥
春に入っても、やはりピーチャンは、私がその釣り場に来ると 飛んで来ていた。 が、6月に入り姿を見ないようにになった・・・
本日、新聞を読んでいると、その鳥が写真で出ていた。 名前を見ると、イソヒヨドリとある。 どうやら渡り鳥の様で、エサの少ない冬場に 釣り師の残りマキエを頂戴することを覚えたのであろう。
渡り鳥なら、来年も飛んで来るかもしれない。
私の事を覚えていて欲しいモノだ
2003年06月16日(月)
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