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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
読み比べで楽しむ海洋冒険小説

ヨット・モーターボートの月刊誌「Kazi」の9月号(8月5日発売)に、「読み比べで楽しむ、海洋冒険小説」という記事(P.86-91)があると教えていただいて、雑誌を買ってきました。
この9月号には「関東エリア主要マリーナ入港ガイド」という付録(?)がついてまして、地図好きとしてはこの航路図と海図も見て楽しい。

この海洋冒険小説案内は、現在書店で入手できる本について、6種類のジャンル分けで紹介されています。
ジャンル1:捕鯨、ジャンル2:海賊、ジャンル3:漂流、ジャンル4:海上保安庁、ジャンル5:少年少女、ジャンル6:イギリス海軍。
長年海洋小説を読んできましたが、この分類分けはけっこう新鮮でした。「海賊」で1ジャンルは思いつきますが、「捕鯨」と「漂流」という視点がなるほど!と。
確かにこれで1ジャンルですよね。

紹介作品は下記の通り
捕鯨:「白鯨」ハーマン・メルヴィル、「深重の海」津本陽
海賊:「海狼伝」白石一郎、「海賊モア船長の遍歴」多島斗志之
漂流:「十五少年漂流記」ジュール・ヴェルヌ、
   「無人島に生きる十六人」須川邦彦
海上保安庁:「太平洋の薔薇」笹本綾平、「怒涛の牙」今野敏
少年少女:「ツバメ号とアマゾン号」アーサー・ランサム
     「コンパス・マーフィー」スティーブン・ボッツ
英国海軍:「ホーンブロワーシリーズ」C.S.フォレスター
     「ボライソー・シリーズ」アレクサンダー・ケント
     「女王陛下のユリシーズ号」アリステア・マクリーン

じつは私の読書傾向は翻訳作品に偏っているので、日本人作者の作品には知らないものもありました。
「コンパス・マーフィー」は2005年邦訳刊行の児童書(原著出版は2001年、作者のポッツは1957年生まれ)ですが、舞台は19世紀半ばの北極海のようです。
読み比べ評がなかなか面白いので、ぜひ本誌を手にとってご覧ください。

「Kazi」という雑誌は、実際に(ヨット、モーターボートに)乗る人のための雑誌なので、英国海軍のところに、オーブリー・シリーズではなく、ボライソー・シリーズが来るのは納得です。もし現在入手可能でさえあれば、ラミジ・シリーズが来ただろうと思います。
最後の最後にユリシーズ号が来るのは誰しもがうなづかれるところでしょう。

日本の海洋冒険小説って北方謙三くらいしか知らなったのですが、保安庁っていう手があったんですね。
さて、明日は本屋に行って未読の日本人作家作品を探さねば。


2013年08月11日(日)