Sail ho!
Tohko HAYAMA
ご連絡は下記へ
郵便船
|
|
Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
スワロウデイル「英国田園紀行」写真展
東急田園都市線江田駅近くのアンティーク・ショップ「スワロウデイル」(神奈川県横浜市青葉区荏田町)にて、「英国田園紀行」という写真展が開かれていることをKさんのブログで知り、21日までとのことなので、本日行ってまいりました。 「英国式自然の楽しみ方」などの著書のある写真家 中川祐二氏の写真展です。
スワロウデイル 写真展「英国田園紀行」のご案内 http://swallow-dale.sblog.jp/sb/log/eid557.html
英国湖水地方の写真展は他にもあれど、アーサー・ランサムにこだわりのある方の撮られた写真ならきっと、視点が違うだろうと思って。 湖水地方の写真というと、日本ではベアトリクス・ポターが有名ですから、ピーターラビット視点のものが多いのです。 ピーターラビット視点だと、おとぎ話に出てくるようなニア・ソーリー村=湖水地方というイメージなのですが、この視点はちょっと、実際よりはメルヘンでしょう…とずっと思っていました。 湖水地方はまた、詩人のワーズワースでも有名ですが、ワーズワース視点がひたすら湖水地方の風景美を追いかけるのとも違って、中川氏の視点は、ありのままのウィンダミア湖やコニストン湖を写し取っておられるように思います。
田園紀行ですから、湖水地方だけではありません。 ダートムーアで有名なデヴォンシャー、ウェールズなど他にも、美しい自然の風景がファインダーに切り取られています。 「ウォーターシップダウンのうさぎたち」で有名なハンプシャーのテスト川の写真もありました…が、これは川幅がだいぶ広いので、うさぎたちが住んでいたところ(バークシャー)よりは下流でしょう。
片隅の画面では、1974年に製作された「ツバメ号とアマゾン号」のTVドラマが上映されていて、幸運にもそのほとんどを見ることができました。 これを見て…というよりむしろ、聴いてびっくり!だったのですが、 この物語の中で子供たちは、探検家や船乗りの真似…というかごっこ遊びをし、ツバメ号とアマゾン号というディンギー(小型ヨット)を子供たちだけで自在に操ります。 このディンギーの操帆命令が本格的なのです。…というより、画面を見ないで音声だけを聞いていたら、あまりにプロフェッショナルで、きっと皆さんM&Cと区別がつかないだろうと思います。
用語だけではなく指揮系統…というのかしら? 船長をつとめる長男のジョンの命令一下、妹弟たちが機敏に転舵してロープをたぐり反対側の開きに乗せる、この円滑さと言ったら…、海軍さんも顔まけ。 子供の遊びとは言え、ヨットはヨット、ぼやぼやしていたら移動するヤードに頭をぶつけたり船から落ちたり、危険はすぐそこにあるわけですから操帆は真剣です。クルーの指揮系統は統一されていなければなりません。
このあたりは昔、子供のころ読んでいた時には全く気づかなかったのですが、大人になって幾多の海洋小説を読み、またホーンブロワーやM&Cなどの映画を見て、操舵指揮の実際を知ると、なるほど!と思うわけです。 長女のスーザンのポジションは船の航海士ですが、実際のところは副長ですよね(真鍮ならぬフライパンみがきにうるさいところも含めて)、長男のジョン船長はしっかり指揮官役を務めています。このウォーカー家4人兄弟のチームワークは絶妙です。 私はまだ「ナルニア物語」を見に行くことができないのですが、ペペンシー家の4人兄弟の場合はこれ、どうなっているのかしら?比較してみたら面白いかも…と思ってしまいました。
この写真展の会場ともなったスワロウデイルは、ヨーロッパのアンティーク家具、生活古道具、などを扱うお店です。
スワロウデイル・アンティークス http://www.swallow-dale.com/
店内には味わいのあるアンティーク家具=ナルニア国に通じそうな洋服だんすや背もたれの彫り込みの素敵な椅子。昔ながらのキッチン用品(レモン絞り器とか)、食器やグラス、生活雑貨(アイロン置きとか)、などが並んでいます。 革製のケースに入った「ドクターキット」(ピンセットやはさみ等)などというものもありまして、ドクターお好きな方にはおすすめかも。 シャープが尻ポケットにねじこんでいそうな、アンティークなヒップフラスクもありました。 木製の滑車とか航海灯などもあるのですよ。
写真展は明日21日までです。 お好きな方、お近くの方はぜひぜひ足をおのばしください。
2006年03月20日(月)
|
|