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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
TVドラマ「ホーンブロワー」続編中止の危機

米国のA&E社が製作し、英国のITVほか世界各国で放映され人気を博したTVドラマ「ホーンブロワー」シリーズですが、その前途に暗雲が立ちこめているようです。
ことの始まりは7月末、ホレイショ・ホーンブロワー役を演じたヨアン・グリフィスの、新作映画(ファンタスティック・フォー)ウェールズ・プレミア記者会見での発言でした。
A&E社は「ホーンブロワー」の新作を製作しないことを決定した、との言葉がヨアンの口から出たのです。

このあたりの経緯は、BlancaさんのホーンブロワーHP「順風満帆」の掲示板を、ここ一ヶ月読んでいらした方はごぞんじだと思いますが、
確認のためにA&E社にお手紙を送られた方があり、やはりこの決定は本当らしい、ということが徐々に明らかになってきました。
その間に「Movie Star9月号」が8月1日に発売され、ヨアンの記事も載っていて、ホーンブロワーが続く…ようなことが書かれていましたが、発売時点でこの記事は、残念ながら時代遅れになってしまいました。


このニュースに立ち上がったのが、アメリカのホーンブロワー・ファンの方でした。
「ホーンブロワーを救え! A&E社に再考を求めよう!」というホームページを立ち上げてキャンペーンを開始、先週からは全世界に呼びかけて続編を要望する署名運動が始まっています。
Blancaさんの順風満帆の掲示板にも、このusHHfanさんからの書き込みがあり、これに応えてBlancaさんが日本版のページを作成されました。

「Save the Hormblower Series(日本語版)」
http://www.interq.or.jp/venus/blanca/blue/hornblower/savethehh01.html


現在行われている呼びかけは以下の3つです。
1)製作会社A&E社に嘆願の手紙を書こう
2)ネット上の簡単な署名フォームに入力することで、A&E社に全世界からの続編希望を伝えよう
3)各国のホーブロワー放映TV局に働きかけて、A&E社に要望を出してもらおう。

1)に関しては、英語で手紙を書かなければならないので、ちょっとハードルが高いですが、2)と3)については、日本からでも簡単に参加できます。
特に2)については、Blancaさんと協力者の方が英語の入力フォームを全て日本語に訳してくださいましたので、日本語ページの説明に従って入力していただけば、メールアドレス非公開のまま参加することができます。

ショーン・ビーンのシャープ・シリーズとて、放映終了から10年近くがたったここに来て続編の話が出てきたのですから、このキャンペーン、参加してみる価値があるのではないでしょうか?
Blancaさんのページから、お力添えをお願いします。

署名の参加者を見ていると、アメリカ、イギリスのみならず、ヨーロッパ各国、オセアニアなど、世界25カ国にわたり、改めてホーンブロワー人気の高さを新たにします。
ちょっと苦笑したのは、イギリスの人って国のところにUKと書かないでウェールズ、スコットランド、イングランド…って書いてる人が多いこと。

また、このアメリカのキャンペーンHPを見ていて、「なるほど」と思ったのは、「A Few Helpful Hints」という、「A&E社に手紙を書くヒント」の一文でした。
アメリカン・ビジネスの一面が見えるような、アメリカ人のものの考え方がわかって面白いと思うと同時に、アメリカにもみーはー女性ファンや熱狂的マニアがいるんだなぁと思って苦笑してしまいました。

この一文、下記に訳してみました。
A&E社に限らず、アメリカの製作会社、映画会社に手紙を書かれる機会がありましたら、ご参考に。
…と言うと、M&Cファンには米国FOX社に嘆願した日本版予告編の苦い思い出が頭によぎるのですが、この先またあぁいうことがあると困るんですけど、でもあらゆる事態に備えていろいろと準備しておくことは、七つの海に乗り出す者の心得…かもしれませんので。

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A Few Helpful Hints ...
製作会社に要望の手紙を書く時に参考となる幾つかのヒント
by usHHfan

ドラマ製作会社の本社に手紙を書くという作業は、海軍本部宛に報告の手紙をしたためる作業と同様、私たちがふつう日常生活で行っている作業とは異なる特別なものです。
以下に、海軍本部へ送る効果的な報告書作成のヒントをご紹介します。

1)あなたが何者かをはっきり伝えること
もしあなたが心の底からホーンブロワーを愛しているファンガール(fangirl:日本語のみーはーに近い意味と思われる)であったとしても、製作会社は通常、ファンガールの気まぐれにあまり真面目にかかわろうとはしないものです。
また、熱狂的なファンは脅威の目で見られ、製作会社はこのような人々を、決して「番組ファンの主流」であるとは見なしません。
製作会社が真剣に耳を傾けるのは、知的で論理的な視聴者の声であり、彼らの提供する番組(DVD等)を購入してくる人々、番組提供スポンサーの商品をも購入する可能性のある人々の声です。
今までにあなたが購入したA&E社の製品(DVDなど)について、手紙の中で言及すると良いでしょう。

2)脅迫してはなりません
「A&Eの製品はもう買いません!」というフレーズは、あまり実りを結びません。
あなたがA&E社の作品にどこまでもついていく(=loyal忠義な)視聴者であり、にわかづくりのファンや一作限りのファンではないことを明らかにする効果的な一撃(フレーズ)をかませましょう。

3)冷静に、そして前向きに、
たとえあなたが、「相手当局」に対し「さっさと板を渡り終わって海に落ちろ!」と叫びたくなるような気分になっても、そのような率直な気分は、あなたの心の内だけに留めておいてください。
人々はたいがいにして、激怒したとげとげしい人の話よりも、信頼に足り論理的な人の話に耳をかたむけるものです。
あなたの見解がもたらすメリットを紹介する方が、実現しなかった場合のデメリットを述べるよりも効果的なのだ…ということを、常に心に留めてください。
ホーンブロワー・シリーズのどこが素晴らしかったのか、このシリーズがあなたにもたらしてくれたものは何か、を書き送ってください。A&E社の製作する他の作品がいかにひどいものかを攻撃するようなことをせずに。
そのようなことを考えたとしても、それは私たちの胸のうちだけに留めておきましょう。それを製作会社――ホレイショの将来の鍵を握っている製作会社――と共有する必要性は全くないのですから。

手紙を書いてくださるあなたに、感謝を送ります。


2005年08月12日(金)