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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
「帆が教える」昨日の天声人語

昨日の朝日新聞の「天声人語」、お読みになりました?
まだの方は今すぐ、こちらをお読みくださいな。とても良いコラムです。

http://www.asahi.com/paper/column20050718.html

日本の半分では梅雨が明けて、そういえば夏休みの季節なのですね。
冷房のきいたオフィスで仕事に追われていると、そんなこともコロっと忘れている。

>帆船乗りの世界には「帆が教える」という言葉があるという。
>自然を忘れ、効率ばかりが優先される時代に「帆が教える」ものは多いはずだ。

この一文はちょっと耳に痛い…かもしれません。
でも「帆が教える」ってどういう意味なんでしょう? 元の英語は何なのでしょう?
さっきから調べているのですが、わかりません。
天声人語は英訳版が出る筈なのですが、これはまとめて本になるんでしたっけ?少なくとも昨日今日の英字紙「Herald Tribune / The Asahi Shinbun」には無いようなのですが。

ランサムの「海に出るつもりじゃなかった」は小学校6年生の時に読みましたが、主人公の少年少女たちが得たものは何だったのでしょう?
帆は彼らに何を教えたのか? 
昔読んだ時は、そんなこと考えもしませんでしたけど、彼らと一緒にハラハラどきどき冒険を共にするので精一杯で。

でも同じ冒険と言っても、同じ時期に読んだナルニア国物語のやはり同じ四人兄弟の冒険とはちょっと違いました。
私はナルニアよりランサムの方が好きだった。
何故って、ナルニア国の冒険は自分には絶対に出来ないことがわかっていたけれど、ランサムの冒険はやろうと思えば自分にも出来るとわかっていたから。
洋服ダンスの扉を開けたら、異世界に行けて中世の騎士みたいな戦いができる…なんてことはまず日本の普通の小学生には無理だけど、夏休みに仲間たちだけでテントを持って湖に行き、泳いだり山に登ったりする…のだったら、小学校6年生では無理でも、もう少し大きくなったら、いつかは出来るでしょう?
…もっとも私のその夢が叶ったのは大学生になって山のサークルに入った時でしたけど。

だから私は、帆に教えてもらった経験はないけれど、この論法で行けば、大自然…山に教えてもらったことは何か?ということになるのかな…、
>大自然の脅威を前に、いかに力を合わせるのか?
うーん、山は帆船と違って大自然の驚異に力をあわせて対抗するってことはあまりないんですけどね。いやそのロッククライミングだとか冬山とか自然に挑むような登山は別でしょうけど、私みたいに、楽しみを目的として夏山の尾根歩きだけやってたような軟弱山行では、大自然の驚異には合わないように、事前にすたこらさっさと逃げますんで。
でも協調性という意味では、力を合わせるというのはあるかな、基本的に悪天候は避けるといっても、避けきれない事態はある。
疲れて下山している途中に霧の中で道に迷ってしまった時とか、雨でびしょびしょに濡れて寒くてみじめな気分になっちゃった時とか、でもパーティ行動している以上、イライラして自分勝手にキレたりするわけにいかないので、こういう時こそ互いに思いやり、思いやり…なんて呪文のようにとなえてみたりする。

あぁでも何か、その状況って、仕事がせっぱ詰まった時の会社でも同じかもしれません。
お仕事オーバーロードでパニクってる時に、同じ部署の比較的手空きの誰かが気をきかせて手伝ってくれたりするとその思いやりが嬉しいとか。似たようなものですよね、霧の中で道に迷っているのと。
効率優先の都会のオフィスで自然が教えてくれたもの…応用編?
なんて勝手な解釈をしてみました。
今度の週末にでも、本棚の奥から「海に出るつもりじゃなかった」を取り出して読み返してみようか…などと思っています。

ところでやっぱり、「帆が教える」の本当の意味は何? どなたかこの英語がわかったら、教えてくださいまし。


2005年07月19日(火)