Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
明日はギャラクティカ
明日はWOWOWで、「宇宙空母ギャラクティカ」の放映がありますね。ホーンブロワーでアーチー・ケネディを演じていたジェイミー・バンバーの最近の仕事になります。 あれから5年たって、STARLOG誌(2004年1月号)の写真を見る限りは、ジェイミーってばすっかり精悍になったわねという感じ、まぁ今回は艦載機パイロット役ですが。
うちはWOWOW契約していないので、友人に録画を頼みました。実際に見られるまでにはまだしばらく時間がかかってしまいますが、明日ご覧になれる方は是非。 あらすじ紹介を読むとなかなか面白そうなドラマです。
このTVドラマは1978年に米ABCテレビで放映されたドラマシリーズ「宇宙空母ギャラクティカ」のリメイク。ただし設定は前作の40年後だそうですから、正確に言えば続編なのでしょうか? 78年のオリジナル・テレビ版は日本でも、日本テレビ・読売系で放送されていたそうなのですが…残念ながら私は見ていません。
未来社会を舞台に、地球からは遙か彼方の恒星系に移住した人類が、機械生物(オリジナル版ではロボットですが、今回の40年後版では人間が製造したアンドロイドが反逆するという設定)に攻撃され、生き残った移民達が宇宙船で、迫り来る敵を撃退しながら、ひたすら逃げる…という話のようです。
STARLOG誌の制作者インタビューを読んでいて面白いなと思ったのは、このドラマをドキュメンタリー・タッチで撮影しようとした…というところ、宇宙空母という非日常的な設定ながら、出来るだけリアルな人間ドラマを描こうとしたそうです。 こういうスタイルって好きなんですよね…ほら、ちょっとM&Cに通じるかな…って。あまり期待しすぎてもいけないかもしれませんが。
明日WOWOWがご覧になれる方はお楽しみに。
さて、ここからは海洋関係からはちょっとはずれた話になるのですが、 上記のSTARLOG誌のギャラクティカ記事のおまけです。
この記事を読んでいてもう一つ発見がありました。 製作者のロン・ムーアがどのようにしてこのギャラクティカのプロジェクトにかかわるようになったのか…のくだりなのですが、 なんと彼はギャラクティカの前に、アン・マキャフリィの「パーンの竜騎士」をドラマ化しようとしていたのでした。
「パーンの竜騎士」は、ハヤカワ文庫SFから翻訳されているSFファンタジーで、今週木曜日7月21日に数年ぶりの新刊が出ます。 ふうっ。 オブライアンが出ないのボライソーが出ないの…と続刊がなかなか出ないシリーズは数多くあれど、考えてみれば…海洋小説の方がよっぽどきちんとしたペースで出てますよね、このパーンに比べれば。 私はパーンともかれこれ20年(ボライソーと同じくらい長い)お付き合いになりますが、途中数年間先が出なくて、もうこのシリーズ翻訳は打ち切りかと諦めて原書読んだら翻訳が出てしまった…脱力…という痛い思い出が。 それで懲りまして今度は先を読まなかったのですが、…またまた数年間続きが出なかったり…これだから翻訳ものとのお付き合いは大変です。 もう出ないなら出ないで、はっきりそう言ってくれればさっさと諦めて英語版を手に入れるのですが…。(こっそり:早川書房さま>ハヤカワFTのキャサリン・カーツのグウィネド王国年代記はもう駄目なんでしょうか???)
それはともかく、このパーンの竜騎士。 私は「ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔」のナスグルを見た時に、「あ、これなら、今のCG技術ならパーンの竜騎士の映像化ができるじゃない!」と思いました。 と思ったらすでに、ワーナー・ブラザースがパーンの映像化権を購入し、今回ギャラクティカを手がけたロン・ムーアが脚本を書いていて、実は撮影1週間前まで行っていた…らしいのですが、 製作会社からオリジナル脚本がシリアスすぎるというクレームがつき、書き換えられた脚本は、ムーアも原作者のマキャフリィも容認できるものではなかったため、映像化の話は空中分解してしまったらしいのです。
かえずがえすも残念です。 見てみたかったですね、パーンの竜騎士の映像化。
…とりあえず、私は今週木曜のハヤカワ7月新刊を楽しみに待とうと思います。 原文タイトルはDolphin's of Parn。南ノ大陸の城砦の子供たちがイルカたちと意志疎通する物語の筈ですから…今回はこれも海洋モノ? …ということで、この脱線おまけについては、お目こぼしくださいませ。
2005年07月17日(日)
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