HOME ≪ 前日へ 航海日誌一覧 最新の日誌 翌日へ ≫

Ship


Sail ho!
Tohko HAYAMA
ご連絡は下記へ
郵便船

  



Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
勢古宗昭海洋画展、帆船模型特別展 in 東京

東京・渋谷の東急本店画廊で、勢古宗昭画伯の海洋画展が開催されています。

7月21日(木)〜27日(水) 11:00〜19:00
(27日は11:00〜17:00)
渋谷・東急百貨店本店 8階 美術画廊
(東京都渋谷区道玄坂2−24−1) http://www.tokyu-dept.co.jp/

今日、閉店間近に駆け込んで見てきました。
勢古画伯の個展は、今までに2回(伊勢丹新宿店のと松坂屋上野店の)見に行っているのですが、今年はトラファルガー200周年にちなんでか、戦列艦を題材にした絵画が3点も。
日本海海戦100年にちなんだ絵もありました。
さすが本物(生の)絵の迫力、活き活きと風をはらんだ帆船と、空と、海が、もう綺麗で…。

東京近郊にお住まいの方には絶対のお勧めです。
オブライアン表紙画同然の迫力があなたもの目の前に!

前に立って、一枚の絵をじっくり見るのも良いのですが、
今回は船の種類も多種多様、海も世界中に。
あぁ海の色ってこんなに微妙に違うのだわ…と思いながら、画廊の真ん中に立って、あの海の色、この海の色と見てまわるのも、また至福の時で。

あぁこの日本丸は太平洋でしょう、太平洋の色をしているわ。
これは…日本海。
ネルソンの戦列艦、これは地中海で、こっちはきっと北海ね。
オブライアンの表紙画を描いているジェフ・ハントはヨーロッパの人だから、描く海は大西洋と地中海が多いのだけれども、勢古画伯の海は見慣れた北太平洋の色で、それが嬉しくて新鮮。
やはり私は、いちばん、北太平洋…というか日本近海の色に慣れているということですね。

ネルソンの戦列艦を描いた3枚のうちの2枚は、おそらく地中海で、海も空もジェフ・ハントで見慣れた色をしています。
残りの1枚、艦尾から描いた作品は、全体に茶系統の不思議なトーンで、こういう色づかいは、ハントや、その他ボライソーの表紙画でもラミジの表紙画でも見たことがないのですが、でもこの茶色の海が、まさしく北海ですね。

初めてホンモノの北海を見た時はショックでした。この海はどうして茶色に見えるのかと。
でも確かに、北海って勢古画伯が描かれた、この色をしているのです。
そう、これが北海の色なのに、どうしてヨーロッパの画家はこの色づかいを使わないのかしら。
これ、前にも同じことを書きましたよね。
その時は生頼範義画伯の絵について述べていたのですが、北海やイギリス海峡をダークトーンでありのままに描く…というのは、日本人の第三者的な目だから出来るのでしょうか?
北緯30度〜40度の太平洋と日本海を見慣れた目からみると、この北海やイギリス海峡の異質な色は印象に深いのですが。

東急本店は閉店が19:00と比較的早い(東京のデパートにしては)ので、ゆっくりご覧になるのは、この週末がチャンスです。


そして、来週の火曜日26日から8月2日までの8日間は、東京・銀座、伊東屋9Gギャラリーで、「ザ・ロープ30周年記念帆船模型特別展」が開催されます。

7月26日(火)〜8月2日(火)
平日10:00〜19:00、日祝日10:30〜19:00
銀座・伊藤屋9Fギャラリー
(東京都中央区銀座2−7−15) http://www.ito-ya.co.jp/

この30年に展示された、選りすぐりの50隻が展示されるとのこと、これは楽しみです。

いずれの個展、特別展とも入場は無料とのことです。


2005年07月22日(金)