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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
大阪、横浜 「M&C」再映情報

今週末から、来週にかけて、大阪と横浜で「M&C」の再映があるようです。

■大阪:新世界国際劇場
フランスの軍船を捕獲せよ!老練艦長と幼い少年兵に託された過酷な任務・・・ 荒れまくる大海原で、生死を賭けた闘いが今、始まる!話題の冒険アクション!   
「マスター・アンド・コマンダー」

上映期間:6月2日(水)〜8日(火)
上映時刻:1:20pm 7:20pm 1:20am
「シェイド」「バレット・モンク」との3本立て 

大阪市浪速区恵美須東2-1-32  TEL:06-6641-5931
地下鉄堺筋線or阪堺電軌阪堺線 「恵美須町駅」から徒歩3分
地下鉄御堂筋線or地下鉄堺筋線 「動物園前」から徒歩5分
JR大阪環状線(or大和路線、南海本線、南海高野線) 「新今宮駅」から徒歩8分
阪堺電軌阪堺線 「南霞町」から徒歩8分

■横浜:横浜日劇
名艦長&ベテラン刑事!若造どもを叩きあげろ2本立!
『マスター・アンド・コマンダー』&『ハリウッド的殺人事件』

上映期間:5月29日(土)〜6月11日(金)
上映時間:『マスター・アンド・コマンダー』10:30/15:00/19:30
       『ハリウッド的殺人事件』13:00/17:30

神奈川県横浜市中区若葉町3-50 TEL:045-251-1815
京浜急行黄金町駅下車5分、改札出て右折、末吉町4丁目交差点左折、直進200m左手
市営地下鉄阪東橋駅下車7分、3B出口交差点右折、末吉町4丁目交差点右折、直進200m左手


なんかキャッチコピーが…、微妙にちょっと違うような(苦笑)。
横浜は今度の週末、開港祭ですから、M&C+日本丸というのも良いかもしれません。

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「M&C封切までに9巻まで読む!」ために放置され、積ん読になっていた和書を少しずつ崩しています。
今読んでいるのは、昨年夏のハヤカワNF新刊「蘭に魅せられた男」。
この本は、昨年夏公開の映画「アダプテーション」のきっかけになった(原作ではない)本。映画とは殆ど関係が無いのですが、ジャンルとして面白そうだから買っておいたのでした。

雑誌ニューヨーカーの記者スーザン・オーリアンが、フロリダに住む「蘭に魅せられた人々」を取材して書いたノンフィクション。
その一部分が映画になり、オーリアン記者をメリル・ストリープが、取材対象の蘭マニアの男ジョン・ラロシュをクリス・クーパーが演じて、クーパーはこの役が評価され、アカデミー助演男優賞を受賞しています。

ひとことで言えば、とんでもない蘭マニアたちの世界…でしょうか?
軽く1万ドルを越す蘭の数々。貴重種の蘭を守るために、最新鋭のセキュリティ・システムを導入した温室。フロリダの湿地に年に数日しか咲かない幽霊ランを見るために、自然保護官に毎日電話で問い合わせ、咲いたと知るや即日飛行機でやってくる人々…などなど。

クーパー演じたジョン・ラロシュも現代の、常軌を逸したマニアですが、珍しい蘭探しに命を賭けるというのは今に始まったことではありません。ビクトリア朝時代の英国では、世界の果てに咲く珍しい蘭の収集が、アングロサクソン的冒険心と結びついて大ブームとなり、南米やアフリカのジャングルでは数多くの蘭ハンターが命を落としていきました。

絶滅危惧種保護という法律の網が張り巡らされた現代とて、蘭マニアたちの収集熱が衰えることはなく、フロリダは違法ラン密輸の舞台に。
でも密輸されるのはランだけはないのです。

(以下引用)
たとえば1996年には、マイアミ経由で合計70万匹のイグアナが合衆国に密輸された。…(中略)…最近マイアミの税関では、ブラウスの中に隠して稀少なヨウモウザルを持ち込もうとした女性、生きたカメを詰め込んだぬいぐるみのテディベアを持っていた男性、シャツの下に生きたボア・コンストリクター(大蛇)を入れていた男性、などが逮捕されている。
テナガザルを胴体に抱きつかせ、その上にごくゆったりとしたシャツを着てふくらみを隠して密輸しようとした男も逮捕された。検査官は、ミルク容器に隠されたタカ、ヘアカーラーに押し込まれた小型インコ、といったものを摘発している。
(引用おわり)

いやその、ビクトリア時代の蘭ハンターたちにもなのですが、これにも何か既視感を感じるなあ…と。
「彼」が現代に生きていたら、やはりクーパーのラロシュみたいになるんでしょうか。
でも現代の蘭マニアたち、蘭の栽培を趣味としながらも本業でも立派な業績を築いている方が多いそうです。日本のウィルス研究者にして蘭マニアでもある医学博士なども紹介されているのでした。


2004年05月27日(木)