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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
「Loyalty」と「Honour」

現在発売中の「NEWSWEEK」英語版は、表紙が「ロード・オブ・ザ・リング:LOTR」のアラゴルン王でカバー特集は「王の帰還」ですが、アカデミー賞予想の記事では「M&C」の話題も少々登場します。「M&C」がアカデミー賞作品賞にノミネートされるかどうかは、選考委員がエピック(叙事詩)ムービーをどこまで許容するかにかかっているとのことです。通常エピックものは1本なので、「LOTR:王の帰還」は確実。もし2本入れば、「M&C 」か「ラスト・サムライ」ということで、果たしてどうなることやら。もっともこちらがじたばたしても、どうなるものでも無いのですが。

「ラスト・サムライ」と言えば、土曜日にTBS・毎日放送系で特番を放映していましたね。
見ていて、面白いことに気付きました。
監督のエドワード・ズウィックと、主演のトム・クルーズが、彼ら(外国人)から見た武士道とこの映画の魅力を語る時に、「loyalty」と「honor」という単語を使うのです。
なんだか言っている内容が、このHPで11月26日に紹介した、ホーンブロワーのプロデューサーが語るナポレオン戦争時代の海洋小説の魅力とよく似ていて、驚きました。
26日の翻訳の時に、実は私「loyalty」をどう訳そうか迷ったのです。忠義と訳すとあまりにも儒教的なのでヨーロッパのイメージには合わないと思って、結局「忠誠」にしたのですが。
「loyalty」と「honour」、ヨーロッパ的には「忠誠と名誉」でしょうけれど、「ラスト・サムライ」的には「忠義と名を惜しむこと」…になるのでしょうか?
そのような観点でこの二つの映画を見てみると、また面白いものが見えてくるかもしれません。

今日は日本橋の洋書店に寄る機会があったのですが、「M&C」の映画カバーのペーパーバック、英国版がすでに店頭にならんでいます。「ラスト・サムライ」のメイキング本も出ていて、これもなかなか面白そうでしたが、こっちは日本語版も出るかもしれませんね。


★お詫びと訂正
11月27日の日記で、「以前にジェフ・ハント氏の画集を見せていただいた」と書きましたが、これは私の記憶違いで、見せていただいたのは「クリス・メイジャー氏の画集」でした。メイジャー氏はハヤカワNVのボライソー・シリーズの前半の表紙画を描いておられます。
お詫びとともに訂正させていただきます。


2003年11月30日(日)