Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
参考書籍(洋書)のご案内
行き帰りの通勤電車で細々読んでるオブライアンの原書、8巻を読了し9巻に入りました。 オブライアンの場合は斜め読みが出来ないので、どんなにがんばっても1冊1ヶ月はかかる。 もはや11月14日の公開前に9巻を読み終わるのは無理そうです。 1年半前に、なんとか映画公開までに9巻まで読もうと思い、原書を一括購入したのですが、やっとその時買った最後の巻にたどりついたので、またその先を購入しなければなりません。円も高くなってきたことだし、今がチャンス。 私がこの原書を買った時には1ドル=125円もしたんです。まいっちゃうなぁ1冊あたり100円近く安くなってるじゃない(泣)。
Amazon.com(米国)では映画化記念版なのか、表紙がラッセル・クロウの10巻が出ているようです。せっかくだから記念に、10巻はアメリカ版のこちらにしようかしら。 もっとも個人的には、原書は、アメリカ版よりイギリス版の方がおすすめです。ジェフ・ハント氏の表紙挿絵がじっくり見られますし、イギリス版には巻末解説のおまけがついています。 ただし実際に読むことを考えると、アメリカ版の方がコンパクトで活字が見やすいかもしれません。…まぁ一長一短でしょうか?
オーブリー&マチュリン・シリーズには、9月20日の日記でご紹介した「Lobcouse and Sptted Dog」の他にも、用語辞典「A Sea of Words」や地図帳「Harbors and High Seas」、百科事典「Persons, Animals, Ships and Cannon in the Aubrey-Maturin Sea Novels of Patrick O'Brian」(人と動物と船が並列なところが主人公たちの価値観に忠実で泣けます)など関連書籍が数多くありますが、今回の映画化に際し関連書籍としてとりあげられているのが「Patrick O'Brian's Navy : The Illustrated Companion to Jack Aubrey's World」という本です。
Amazon.com(米国)のブックレビューによれば、ジャック・オーブリーのフィクションの世界の実際を詳しくフルカラーのイラストで紹介した本であるとのこと。当時の艦や武器の詳細なイラスト、士官や水兵たちの艦上生活の実際。戦闘と戦略。全20巻の舞台となる場所の地図。当時の英国の政治や文化について。登場人物一覧表もあるようですが、これは20巻までねたバレしているようなので、購入なさる方はお気をつけいただいた方が良いかもしれません。レビューを読んだ範囲内で推察するに、辞典・図鑑・地図を一括しイラストを活用した、初心者向けのコンパクトな解説書のように思えます。
アメリカでは今、雨後のタケノコのごとく関連書籍が発刊または再版されているようです。 「ロード・オブ・ザ・リング/指輪物語」の時も、トールキンの真面目な研究書から素人むけの突貫便乗本まで、ありとあらゆる本が発売されましたが、指輪物語と異なり、これらの本が日本語に訳されることはまず無いのだろうなぁ(嘆息)。
ともあれ、これら雨後のタケノコたちの交通整理にお役立ちなのは、このページ。 Bruce Trinque氏とおっしゃる熱心なパトリック・オブライアン読者ご推薦の関連書籍レビュー・ページです。ここにはアヤシげな突貫工事本は含まれていません。 でも「Port Wine Sea」という読者パロディ集は含まれているんですけれども(16巻The Wine Dark Seaのもじり)。これいったいどのような作品なんでしょうか?
このラインナップは、歴史書が一覧になっていてありがたいですね。「Nelson's Navy : The ships, Men and Organization 1793-1815」など1冊持っていたら大変役にたちそうですが、こんな調子で買い始めたらあっという間に「買い物かご」の合計額が100ドル突破してしまいそうで困ったものです。 唯一の救いは、今がドル安のことでしょうか?
★追加情報のご案内 只野四十郎さんのHP「Sailing Navy 王国海軍 木造帆船軍艦の時代」に、「オーブリー関連書籍」のページが登場しました。「トップページ→参考資料→参考文献(洋書)中の「オーブリー関連本」とお進みください。
2003年10月29日(水)
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