Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
映画「パトリオット・ゲーム」にキリック発見!
関東地方では、今週の木曜洋画劇場がハリソン・フォードの「パトリオット・ゲーム」でした。 これ原作は読んだけども、そう言えば映画は見なかった…と思い、あまり本気ではなく流し見していたのですが、英国王室の補佐官役がどうも「ポアロ」のヘイスティングス(ヒュー・フレーザー)なのでは…と気になって、翌日確認のため、映画データベースを調べてみたんです。 答えは当たりだったんですが、そこで思わぬ発見を。
キリック役のDavid Threlfallが出ている!
Threlfallは舞台が中心の俳優さんらしく、日本で公開された映画で出演しているのは、この「パトリオット・ゲーム」と「ロシア・ハウス」(ショーン・コネリー主演、原作はジョン・ル・カレ)だけなんですね。
「パトリオット・ゲーム」でのThrelfallはハイランド警部という役で、この映画、イギリス側の刑事さんは3人登場するのですが、たぶん一番印象の強いあの人だな…と目ぼしをつけ、今日もう一度、ビデオを借りてきて確認しました(あぁこんなことなら録画しておけば良かったわ)。
ロンドン警視庁の担当責任者で、病室のジャック・ライアン(ハリソン・フォード演じる主人公)のところに話を聞きに来て、犯人(ショーン・ビーンが演じている)の護送にも同乗する肝っ玉の座った警部ですが、脇役にもかかわらず小粒でピリリと辛いというか、いい味を出しています。 いや、かなりの性格俳優とお見受けいたしました。
「パトリオット・ゲーム」は1992年の映画ですから、今から11年前、当時30代だったThrelfallも、いまや40代後半になっていて、いやはや…なんだかとっても楽しみです。 憎悪にかられた犯人役のショーン・ビーンにもびくともせずに向こうを張ってましたから、艦長やロサンゼルス市警(映画がちがう…)が相手でも一歩も引かないかと。
それはそれ、として。 映画「パトリオット・ゲーム」。なんだか懐かしかったです。古き良きアメリカ…という感じで。 国際謀略小説のジャンルも時々手にとる私は、むかしのトム・クランシーは結構好きでした。「レッド・オクトーバー」「パトリオット・ゲーム」「クレムリンの枢機卿」ぐらいまで。 ところが1991年に湾岸戦争が起きてしまい、私は毎日テレビニュースで展開される現実で手いっぱいとなり、、ハイテク軍事スリラー小説なんてしばらくお休み…しているうちに、クランシーの主人公ジャック・ライアンはどんどん偉くなり、それとともにストーリーも過激化していきました。結局それ以降、「レッド・ストーム・ライジング」以降のクランシーは読んでいません。
ここ2〜3年、アメリカはますます強気ですし、私がふたたびクランシーの本を手にとることが仮にあったとしても、それはそうとう先になりそうです。でも15年前には「パトリオット・ゲーム」を面白く読んでいたのですよね。
この物語には、アメリカの良い面も多く描かれていると思います。主人公ジャック・ライアンと家族との絆、上司や同僚との信頼関係、お客様を我が家に招くことが本当に心のこもった持てなしだとするアメリカ独特の価値観…などなど。 最近のアメリカを見ていると、ついついそんなことを忘れてしまいがちですが、この映画を見ながら私は、そういえばアメリカにはこんな古き良き時代もあったなぁ…と思ってしまったのでした。 古き良き…とは、ふつうは1950〜60年代をさすもので、1980年代の後半をさしてこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが。
2003年10月03日(金)
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