umityanの日記
DiaryINDEXpastwill


2001年09月24日(月) 山頭火と僕。あまりの違いに驚く。

秋もすっかり深くなり、過ごしやすい季節になった。食欲の秋、読書の秋、旅する秋。僕はどんな秋がすきかな?。やはり旅する秋かな?。旅の秋と言えば、昔、山頭火は短歌をこしらえながら、あちこちと放浪の旅をした。最近、母から聞いた事なのだが、山頭火が、実家の近くの旅館に投宿したそうだ。短歌も一句詠んでいるらしい。山と海にかこまれた出湯の地をいたく感動して、できるならずっといたい場所と言ったそうだ。僕には初耳だった。僕も血気盛んな頃、山頭火みたいな生き方がしたいなあと思い、詩までこしらえたことがある。
駄作で恥ずかしいのだが、記して見よう。
       旅
   君は旅が好きだろうか?
   頭に網代笠、ワラ草履をはいて
   手に鈴と応量器を持ち
   ひたすら世界を巡り
   愛を語ろう。

   疲れたらひと時の憩いを持とう。
   差し入れられた握り飯をほおばって
   荒れた御堂をねぐらにしよう。
   みなぎった僕の熱エネルギーで
   冷え切った君の体をあっためよう。
   
   旅の果て、僕は死を迎えるだろう。
   細胞の一つ一つに思い出を残し
   まだ閉じぬまぶたの中に
   しずくに宿る君の顔を見るだろう。
   愛と悲しみに満ち満ちた君の顔を。

僕は、旅に出るなら一人ではないほうがいい。
何故って淋しいからだ。昔、よく思ったものだ。僕を愛する女性と二人で、托鉢をしながら世界中を歩く。愛のすばらしさを説きながら。真剣にそう思ったことがあった。ところが、「いまどきそんな女性なんているものね。おばかさん。疲れたら温泉宿にとまり、ご馳走をほおばる。それが本音でしょう?」と、どこかの飲み屋のママさんたちに言われてしまった。いやまいった。まいった。本当はそうしたいのかもしれない。ましてや連れの女性も、僕が行き倒れると、「あなた、ようやく逝ってくれたわね。嬉しい。わおーーー。わたしもやっと解放された」とマジで思うかもしれない。おおお、残酷。こんなことを考えるなんて、僕もすっかり社会の毒に汚染されてしまったのか。あの、純粋だったころにもう一度戻りたい。「ピュアソウル」を演じた永作博美さんの笑顔を思い出しなさい。どこからかそんな声が聞こえた。彼女の笑顔に偽りはないだろう。


umityan |MAILHomePage

My追加