umityanの日記
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2001年08月29日(水) |
同窓会・二次会(4) |
二次会は20名はゆうに入るようなスナックだった。既にいく組みかの先客があり、カラオケの音が店内をにぎわしていた。 「へええ、今はこんなに立派なスナックも出来ているんだ」と驚いた。皆、それぞれに確保してあった席の一角に陣取った。ここでまた、ひとしきりだべり飲みなおそうというわけだ。僕は焼酎のお湯割りにした。いつものパターンだ。焼酎とくれば次はカラオケ。僕の悪い癖が出た。目立ちたがりやの僕は、真っ先に、「メリジェーン」の歌を注文し、得意のイングリッシュで歌った。引っ込み思案で暗い性格の持ち主だった僕が、今は堂々と臆面もなく、歌を歌う。仲間達はいちばん変ったのは僕だという。声高らかに、あっけらかんに、歌を歌うなんて、昔の僕しか知らない仲間達には想像できなかったのだろう。確かにそうかもしれない。僕の高校時代は父の死もあったためか、陰鬱だった。笑顔もなく、こ汚いあごひげや、鼻ひげを伸ばし、下ばかり向いて歩いていた。ましてや、女性と声をかわすなんてほとんどなかった。それが今や、口八丁、手八丁で、ピーチクパーチクのおしゃべりやさんになってしまった。「男のおしゃべりやさんは女性にもてませんよ」。ばあやの口癖だった。それは十分僕も理解していた。ただ、おとなしくじっとしているのは通夜みたいで、僕のいちばん嫌いなパターンである。僕はあえて、いつも三枚目になり場をにぎわすことに専念するのだ。これは、決して悪い性格ではないと思う。何が僕をそういう風に変えさせたか。大人になったからだとだけ記しておこう。本当は大きな理由がある。それはまだいえない。ストレスを持たない能天気やの僕は、その後も、相変わらず下手な歌を歌って、その場を楽しませたことは言うまでもない。いつしか時は暮れていった。(続く)
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