umityanの日記
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2001年08月30日(木) |
同窓会・最終章(5・・・完) |
ひと暴れしてつかれた頃、同窓会も佳境を過ぎていた。時が容赦なく流れたのだ。別れの挨拶を互いに述べる時間がやって来た。名残惜しそうに手を取り、健康の祈願と再会の約束だ。何度となく経験してきた風景。この頃になると、僕も真顔。同窓会では酩酊するまで飲むゆとりはない。先ほどまでのはしゃぎが嘘のように、皆、紳士・淑女にはや変りだ。けじめだけはぴしゃっとしなければ、「あいつは酒癖が悪い」というレッテルを貼られてしまう。以後、そのことが語り草になるのだ。まだ僕はそのレッテルを貼られていない。良かった。 僕は電話を入れていたホテルへ直行した。いまからでは、母のところには戻れない。母には明日、会うことにした。少々疲れていた為か熟睡した。朝は7時に起床。あさしゃんをして、バイキングの朝食。何事もない淡淡とした時間の流れ。8時半にホテルをチェックアウト。午前中は友人の画家が実家に開いている画廊に新作やら展示品を見学に行く約束をしていた。さっそく昨夜の友達数人で出かけた。車で30分のところに彼の画廊があった。彼の力作を眺め、360度転換した彼の人生に思いをはせた。ひとしきり、昨夜の反省と、彼の今後の活躍を期待している旨を述べ、午前中で画廊を引き上げ、友人達とも別れた。さあ、母の待つ古家へと急がねば。何ヶ月ぶりだろう。母はそこそこ元気でいた。変らない家のたたずまい。ただ、会うたびに老いていく母の姿をみるのはつらい。「いつも元気で絶好調」。これが僕の殺し文句。母は笑いながら「過信は禁物よ」と、いつもたしなめられる。たとえ、少々、疲れてストレスがあっても、そう言って置けば親も安心するだろうから、そう言っているだけなのだが。夕方になって、家を後にした。色んな思いを土産に僕は車を走らせた。いつもの習慣。パーキングエリアで、サツマイモを一袋買った。700円。うんん、高い。うまけりゃいいか。既に僕は二つの仕事を持つ僕に変身していた。 カメレオンみたいな奴。自分のことをそう思うと、おかしくて笑ってしまった。(完)
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