umityanの日記 DiaryINDEX|past|will
新幹線に乗ったのは何年ぶりだろう。トンネルがやたらと多い。この欠点をのぞけば、早くて、乗り心地も悪くはない。時折、窓から外が見えた。ひしめきあって建っている家々。ビル、工場。そして、眼前に広がる田園風景、野、山。驚いた。意外と緑が多い。田んぼの早苗もさることながら、あちこちに緑が一杯である。それもそのはずだ。レールは山間部を通っているわけであり、緑が多いのは当たり前だろう。ここが落とし穴かもしれない。緑が多いと地球環境もまだまだ大丈夫だと錯覚してしまう。本当は緑は激減しているのじゃなかったのか?。頭の中でそんなことを考えていた。そうこうしているうちに、のぞみと言う名の電車は目的地の駅に「すーーーっ」と滑り込んだ。人の後にくっついて、いざ出口へ。今は便利な自動改札口。出口の機械に切符を滑り込ませた。な、なんと、見事にシャットアウトだ。最初からその予感はしていた。駅員がやってきて、「この切符は大きいから通りませんよ」と言って、手動で出してくれた。なんで、僕の切符は大きいのか?。質問しようとしたが、因縁をつけていると思われたくなかったのでやめた。駅構内から外に出た。さあ叔母の入院している病院へ直行だ。時間は午後三時を回っている。病院はタクシーで5分程度の駅から近いところにあった。受付で入院名簿の確認をした。確かに叔母の名前がホスピス病棟にあった。ホスピス病棟---テレビでみたことはあったが、実際に足を踏み入れるのはこれが最初である。ナースステーションで面会名簿に記入し、看護婦が叔母に告げに行った。すぐ僕は叔母と面会できた。叔母は4人部屋の入り口に近いところにいた。僕を見るなり、「無理せんかてよかったのに」と目を潤ませて力のない声でいった。僕は「大丈夫、大丈夫」と言って、骨と皮だけになった叔母の手を取った。数年前の法要以来の再会である。
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