umityanの日記
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2001年07月11日(水) 叔母さん、いよいよ会いに行きますよ。

今日は雨。再び梅雨前線が南下して雨を降らせている。おかげで、異様な蒸し暑さから開放されて幾分か過ごし易くなった。災害が生じない程度に雨、雨、降れ降れである。昼間ちょっと、切符を買いに駅まで行った。いよいよ、僕の旅の始まりだ。世界旅行への出発なら心もうきうきだが、そんな大げさなものではない。近県への一泊二日の一人旅である。しかも、観光ではなく病気のお見舞いである。僕の顔は今、とてもまじめになっている。叔母がいよいよホスピス病棟に移った。まだ、一般的には社会の中で十分容認されていないホスピス病棟。要するに、治療をせずに、ガンならば痛み止めの注射だけを行い、後は心のケアに重点を置いて死を迎える人の援助をする病棟と言ってよいだろう。叔母は自らそれを選択した。言いようのない悲しみだけが込み上げてくる。自分の生に自分なりの決着をつける。このことって確かに大切なことかも知れない。死が避けられないものであるならば、自分の意志で死を選択する自由を人は持ってもいいのかもしれない。一方、延命出来るなら、徹底的に延命の方策をとりたいと思う患者や家族がいることも忘れてはならないだろう。どちらかと言えば、このほうが社会の趨勢であろう。奇跡だって起こるかもしれない。あるいは、ひょんな切っ掛けから、特効薬だって見つかるかもしれないではないか。僕の率直な気持ちは、本人の意志は尊重したいが、徹底的に戦って欲しいと思う派である。
今、どういう顔をして叔母に会ったらいいのか思案している。「がんばってください」と励ましたがいいのかどうか分からない。多分、僕はそうは言わないと思う。延命して生きようと思っているなら、そう言うだろう。「おばさん頑張って。病気なんかに負けてはいけない」と。今、心静かに、死を自ら受け入れようとしている叔母。きっと、心は穏やかなはずである。僕は妙案を思いついた。叔母へのお土産だ。僕の日記集だ。昨年からのを入れると相当の枚数になっている。とりあえず、今年の分をラインプリンターで印刷して持っていこう。叔母はどういう気持ちで読むかは分からないが、甥である僕のことを、ほほえましく思いつつ、何度も何度も読みかえすに違いない。これは僕のうぬぼれかも知れないが、そんな気がするのだ。恥ずかしながら、まだまだ半人前の甥です。


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