オヤビン日記
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2006年04月01日(土) 「父帰る/屋上の狂人」 初日

客電が消えて真っ暗になったとき、
ついにこの日が来たかという嬉しさで泣きそうになった。
時間的にも精神的にも、ここまではとても長い道のりだった。

ブザーが鳴ると、客席全体がピーンと緊張している気がした。
まだ誰も見ていない舞台が始まると思うと、
体中に力が入ってしまった。


父帰る
父帰るの剛くんはキリリとした凛々しい男性で、
胡座姿が格好良かった。

方言だから話の内容がわかりにくく、
ついつい耳よりも目からの情報に頼ってしまった。
ちょっと残念。

わたしの席は後ろのほうの下手側だったので
剛くんの横顔と背中がよく見えた。

普段の会話の場面ではなんとも感じなかったけれど、
父親が話題になるとその背中がすこし緊張している気がした。
そして実際に父親が現れたときには
ギュッと硬くなっているように感じた。

すごい、背中でも演技をしている。
と思った。


照明が柔らかくてよかった。
話の流れで徐々に新二郎 (弟役の勝地君) の方が明るくなったり、
逆に賢一郎 (剛くん) の方が明るくなったり、
その移り変わりがとても自然ですごいなって思った。

それと、剛くんの顔は凹凸がはっきりしているせいか、
明かりがあたったときの顔の陰影が素敵だった。

クライマックスの迫力はすごい。
剛くんの声が大きくて、
こんな声がでるのかとびっくりした。
みんなの足音がバタバタと聞こえてくるところが
舞台っぽくって好き。

静から動への転換が、
いつくるか、いつくるかとわくわくした。

最後は、えっ、もう終わり!?
という感じで、本当にあっという間に終わってしまった。
続きがどうなったのかも見たい。

明るくなって時計を見たら、
開演から20分か25分くらい経っていたかな。



休憩
途中10分間の休憩があった。
幕の上から屋根が動いているのが見えて、またワクワクした。
座席までパンフレットを売りに来ていたから、
何も最初に慌てて買わなくてもよかったみたい。



屋上の狂人
屋上の狂人では、幕が上がった直後の暗闇の中で、
視線の先に白い塊がぼーっと浮かんでいて、
まさかあんなに上にいるのかなと思った。
照明が当たってみてビックリ。
視線の先、見下ろす感じではなく、真正面に剛くんが座っていた。
(屋根の上だから、かなり高いところということ)

足の裏がこっちを向いていて感動した。
こんなに長い時間足の裏を眺める機会なんてない。

このお芝居の剛くんはとにかく可愛い!
髪型も、着物もいい!

義太郎(剛くん)が、なんとかが見える、と言って
楽しそうにあちこち指を指すもんだから、
本当に何か見えているのかもと思って
わたしも何度かシアターの天井を見上げてしまった。
もちろん何も見えなかったけれど。

ただじっと座っているだけかと思っていたらそうではなく、
アクティブに屋根の上を動き回るので、
落ちるんじゃないかとハラハラ。
これも演出なのかな、それともアドリブなのかな。

足を引きずっていたから本当に怪我をしているのか、
それとも傾斜している屋根だから歩きにくいのかと思ったら、
そういう役柄だったとは驚き。

こっちのお芝居はずっと「動」だった。
狂人を見て笑ってもいいものなのかなと思ったけれど、
その台詞や動きが面白くてついつい笑ってしまった。
下で大騒ぎしている人たちも、
困ってオロオロしている様子がよくわかってまた面白い。

藤作(高橋克実さん)が出てきたとき、
髪は短い(というより無い)し、色黒で、
最初は高橋さんだと気付かなかった。
なぜか客席からは笑いが。

巫女(キムラ緑子さん)さんの演技は大変な迫力。
本当に取り付かれているように見えて、引き込まれた。

末次郎(勝地君)が出てくると、
いままでの笑ってばかりだったお芝居が
キリッと引き締まった気がした。

最後の2人だけのシーンは
その関係がよく現れていてとてもよかった。

夕焼けが綺麗だった。


劇場を出たら、開演から1時間5分か10分くらい経っていたと思う。



ふり返って
剛くんが目の前で演技をしているいうだけで
ただただ感動だった。

勝地くんの演技が凛としていて
とても気持ちが良かった。
こんなにいい役者さんだとは知らなかった。
他の周りの役者さん達もそれぞれがいい味を出していて、
こういう方々に囲まれて演技をしてる剛くんがすごいと思った。

初日の初回だったから
何も情報がないままで見ることができたのは嬉しかったし、
感動も大きかったと思う。

見る前に情報を入れたくなかったから、
パンフレットは買ったものの、
着物の写真があると聞いたから見ないことにした。
終わるまで見なかったのは正解だったと思う。

カーテンコールで役者さん達が並んだ時、人数の少なさに驚いた。
みんなでお辞儀をして帰っていく途中、
剛くんだけがまた戻ってきて
もう一度ぺこりと頭を下げてくれたから、嬉しかった。
このときだけは、役者ではない、SMAPの剛くんだと感じた。

パンフレットは中身が充実している!
B5の半分?の大きさで700円。購入数に制限は無かった。
インタビュー(どこかで読んだのと同じようだけれど)の他に
稽古場の写真もたくさんあって、
堤さんとの対談まであったのにはビックリ。
あとでゆっくりじっくり読みたい。



短いお芝居だからとてもよく心に残っている。
でもまだ自分の中でよく消化できていないのか、
心の中にあるものをうまく言葉にできないのが悔しい。

じーんとしたし、笑ったし、ワクワクもドキドキもした。
見に行ってよかったと思える舞台だった。





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