眼前に立ちはだかる、 其の、 大きな困難は。
決して、 同一では無く。
大小も、 硬軟も、 鋭鈍も、 異なって居るけれど。
乗り越えた先の、 目的地も。
得られる、 至福の結晶も。
そして、 到達する事の尊さも。
皆、 同等だから。
別々の道程を辿る筈の、 互いが。
互いを戦友に据え、 険しき路を、 進めるのかも知れない。
極めて稀な、 至難の闘いは。
世界に数例しか無い、 大手術は。
決して、 自身の闘いでは無かったけれど。
自身の、 立ち向かうべき、 闘いの様に。
感じられたのだ。
何方か一方の命は、 失われるかも知れないと。
絞り出す様に、 姫へ話し掛けて来た、 其の姿が。
幻だったかの様に。
「小坊主。」 「聞いて聞いて!」
「どうした?」
「あの、隣の人がテレビに映ってたの。」 「二人とも元気そうだったよ!」
「手術成功したんだ!」 「良かったね!」
画面に映った、 見覚え在る其の姿は、 生気に満ち。
しっかりと。
小さな命を、 腕に抱いて居た。
---------- References Dec.16 2005, 「歪みを吐いては駄目でしょうか」 Dec.10 2005, 「肖れるでしょうか」
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