< 屍を拾えば未だ闘えますか >
何度伝えても届かぬ言葉。
拒絶の壁を相手が解かない限り、 其の言葉は、 耳にすら到達出来ずに散って行くから。
何度伝えても届かぬ想い。
所詮言葉は想いの代用品であり、 相手の協力が存在してこそ、 届いた言葉が初めて正確に花開くから。
「自信無い。」
相手の目の前で、 近似すれば敗北に値する言葉を吐いた時。
相手の解答が其れと異なっていたら、 事は終焉に向かったのだろうか。
信頼の絆を束ね行くには、 自身の行動による事実の積み重ねが、 唯一の方策だけれど。
信頼の絆を引き千切るには、 自身の行動による事実の積み重ねのみならず、 自身の疑念、 相手の疑念、 事実と異なる精神力の薄弱でも、 十二分に其の機能を果たしてしまうから。
「自信無い。」
「じゃあ終わりにする?」
拒絶の壁は、 想いを遠ざける方向へと、 殊更力を発揮する。
「違うよ。」
奴は自分の想いに自信が無いと、 受け取った彼女。
自分の想いを伝える術に、 自信が無いと呟いた奴。
其の違いを認識する事が、 再び奴の糧になるんだ。
きっと彼女は、 もう直ぐ始まる仕事への不安を、 口にしただけ。
きっと彼女は、 生活の時間配分を掴めずに、 焦っているだけ。
「絶対離すなよ。」 「仕事が始まればチャンスが来るじゃない。」
「だよな。」 「信頼感取り戻してやる。」
そうそう。
彼女の強情や気の強さと、 奴の粘り強さと、 何方に軍配が上がるのか。
しっかり見届けてやるから、 存分に闘って来な。
---------- References Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」 |
2003年08月09日(土)
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