期待していた未来が、 実現しないと判る瞬間と。
確定していた事実が、 実現しないと判る瞬間と。
失望の度合は、 何方が高いのだろうか。
確定し得ぬ未来は決して見せる事無く、 焦燥を与え続ける行為と。
僅かな可能性の中へ利かそうとした無理に、 弾かれ落胆させる行為と。
貴女の心は、 何方を是と見做すのだろうか。
「来月も駄目だ。逢えない。」
貴女の中では、 既に確定していた筈の事実を。
けれども俺の中では、 未だ希望的観測で在った事実を。
正確に打ち消した時。
予測と寸分違わぬ声で、 貴女は泣き出した。
至極当然の精神状態。
何故に打ち消したか。
其の事情が何処に在るのか迄、 貴女の考えが及ぶ余裕など決して無いだろう。
期待は。
可能性が有ったとしても、 確約出来ない期待は。
持たせるべきでは無かったのかな。 |