< 想いの乖離を感じ取れますか >
頻繁に震動を繰り返す地域の様に。
互いの歪が小さい内に、 衝突し、 想いをぶつけ、 絆の撓みを開放する。
細やかな想いを以って、 僅かな揺れを察知する作業は、 想いの外重労働だけれど。
頻繁な震動を起こす事無く、 長期に歪を溜め続ければ。
歪に対する許容の力は消え、 少々の圧力でも、 耐え切れずに大きく揺れる。
そして最後には、 大きな地殻変動を伴い、 お互いの絆に無残な裂け目を残して、 去って行くに違いないんだ。
想いの乖離が起きる時。
お互いの温度差や、 お互いの認識の違いが、 言葉や態度として表面化する時。
其れは即ち、 大地震の前触れとして発生する、 井戸水の白濁化であり、 動物達の錯乱であり、 小規模な歪の開放なのだろうか。
数日前に貴女から届いた文を、 舐める様に読み返す。
「私に対しての想いが。」 「今までとは違う想いになってしまったのでしょうね。」
俺の視点や認識とは、 凡そ懸離れ、 青天の霹靂としか想えぬ言葉。
一方的としか受け取れぬ貴女の想いに。
貴女に対する細やかな想いと、 貴女の揺れを察知する能力の、 不足を感じて。
今更。
貴女から届いた文を、 丹念に丹念に読み返した。 |
2003年06月12日(木)
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