< 本物の春は暖かいでしょうか >
北国に春が近付いて来る毎に、 貴女の住処も、 俺の住処も、 小さな小さな息吹に囲まれる。
極寒の季節は意地悪で、 貴女との距離を更に遠避けるから。
雪や嵐の壁を高く高く積み上げて、 遠くの貴女を更に遠避けるから。
雪解けと賑やかな囀りは、 幸せの季節が近付いて来る合図。
「暖かくて寝ちゃった・・・」
受話器越しに、 貴女の寝惚けた声を聞いた時。
何だか隣に貴女が居る様で、 俺は貴女を腕の中に包んで居た気がして、 寝惚けて携帯電話を握ったんだ。
寝惚け眼を擦りながら、 貴女の寝惚けた声を聞いたんだ。
暖かな日差しを浴びて、 寄り添う様に眠る。
俺と貴女にも、 そんな時が来るのだろうか。
窓越しに見える、 あの一組の猫の様に。 |
2003年03月22日(土)
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