もう一箇所立ち寄るところがあるようだ。 「三越」にてショッピング。いきなりショッピングとはよくわからないが、じつは、みんながお買い物をしている間に、中林先生他、我々数人は楽器屋に寄ることになっている。
お聞きすると、先生は旅行の都度、ギターを購入されるそうだ。今回も事前に連絡をされて適当な楽器を出してもらっていた。他に宮城県のOさん、Sさんもフラメンコ・ギターを買われる予定だ。私も便乗していいのがあったらとついて来たのだが、時間もなく中途半端になりそうなので結局やめたが、あとで考えると決めておけばよかったかなと思ったりする。 どうも日本で買うより、かなり格安になるようだ。あとで聞いて「後悔先に立たず」だ。宮城県のお二人はいろいろと思案されている。デザインはいいが音がいまいち、逆にデザイン的に気に入らなかったりと、これというものがないようだ。
中林先生はというと「外国で買い物をするときは、即決しなければいけないよ。もうその時を逃せば、あとでというわけにはいかないからね。ぼくはもう決めたよ。」と楽器をケースにしまいながら言われていた。
そういえば、中林先生の著書『心の旅・セレナーデはギターで』の中に、スペインで掘り出し物を手に入れられた時のことが記述されている。
パリ美術大学の近くの骨董店でのできごとである。 タバコの焼け焦げがある埃まみれのギターだが、その音のすばらしさに惹かれ買おうとしたが、べらぼうな値段に断念。2年後にふたたびその骨董屋を訪れ今度こそは買おうとお金まで用意していた。 しかし、安くしない店主の無愛想に腹を立て、あきらめた。ここで大きな後悔をする・・・。このあたりのくだりはとてもおもしろく、また、本物を見抜く力量の大切さを教わる部分でもある。そのうち別の機会に取り上げたい。
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