psyche-deli-chic

2004年02月24日(火) 夢の効用/虐待の亡霊とACコンプレックスからの解放 part3

ところが、その話し合いがあってから1週間過ぎた頃、ぴよ子が
ちょっとした事件を巻き起こしてしまったのです。実は兆候は
既に表れていました。気のせいかな?とは思っていたのですが、
園にぴよ子を迎えに行っても、よそのお母さんにべったりと
甘えに行って、なかなか家に帰りたがらなくなっていたのです。
気のせいかな、そんな時期もあるのかな?お友達の家になかなか
遊びに行けないからかな?と思おうとする反面、遠い過去に、
わたしも、同じようなことをしていた記憶が甦り、え、、、
まさか、この子、わたしを怖がってる?!というショッキングな
直感が頭をよぎったことがあったのでした。

それからしばらくしたある日。お迎えに行ったら、ぴよ子が
誰々ちゃんちに遊びに行く!と駄々をこねました。誰々ちゃんの
ママは、ぴよ子がよく甘えていたお母さんです。それでも、
その日は、ぴよ子は、明らかにテンションが変で、これは
遊びに行かせても、相手のお母さんが大変になるかもしれない、
と思い、一旦は断ろうとしたものの、ぴよ子が泣いてきかず、
押し切られるように、遊びに行かせてもらうことにしたのでした。
相手のお母さんが車で園にお迎えに来ていたこともあり、わたしは
園庭でよろしくお願いします、とぴよ子を預け、そのまま、帰路に
着いたのでした。

でも、家について一息つくまでもなく、携帯が鳴ったので、
出たら、ぴよ子と一緒に子供を遊びに行かせることになっていた
お母さんからの電話。ぴよ子が泣いて大変だから、やっぱり
迎えに来て欲しい、との連絡だったのです。大慌てでトンボ返りして
来た道を園に戻ると、駐車場の側で、ぴよ子が大泣きしていました。
事情をよく聞いてみると、ぴよ子が、お友達のママの手を繋ごうと
して、お友達とママの手の取り合いになって、喧嘩になって、
お友達の顔を引っ掻いてしまった、というのです。

人に手を出すことは厳しく叱っている為、滅多なことでは
お友達を叩いたりするような子ではないのに、よりによって
顔を引っ掻いてしまうなんて、、、。コトの異常さに、わたしは
ぴよ子のせっぱ詰まった気持ちを感じ、とにかく今日はお家に
帰ろう、とぴよ子を引き取ろうとしたのですが、ぴよ子は、
わたしの元に来るのを嫌がって、お友達のママにしがみついて
離れようとしませんでした。

それでも、相手のお母さんたちにも、もうこれ以上ご迷惑
かけられないと思い、何度もごめんなさい、と謝りながら、ぴよ子を
抱きかかえて、取り押さえると、ぴよ子は大泣きしていやだいやだ、
と泣き叫びながら暴れて、抱きかかえるわたしの手を思い切り
噛んだのでした。それは大人のわたしでも、思わず痛いっ、と
声を上げてしまうくらいの、渾身の力が入った噛み方でした。

その様子にぴよ子は我に返ったのか、暴れるのを止めました。
わたしは痛みと、噛まれたショックと、ぴよ子の不憫さと、
自分自身への情けなさでぐちゃぐちゃになった気持ちで、
ぴよ子に、ごめんね、ごめんね、と謝りながら、その場に
しゃがみ込んで、ぴよ子を抱きしめたまま、泣き崩れて
しまいました。そうしてしばらく二人でオイオイ泣いていたの
でした。

少し落ち着いてから、二人で木陰に移動して、ぴよ子と
お話しました。ごめんね、まーちゃん、ぴよ子に、いっぱい
怒ってばっかりだったね。ぴよ子、まーちゃんがぴよ子のこと、
好きじゃない、って思っちゃったんでしょ?と聞くと、
ぴよ子はこっくり頷きました。そして、ぴよ子も、噛んで
しまったことを後悔していたのか、まーちゃん、ごめんね、って
謝ってくれたのでした。

こんなにもこの子のことを追いつめてしまっていたんだ、、、
そう思ってわたしは愕然としました。そして、激しい
自己嫌悪に襲われたのです。絶対やらない、って決めていたのに、
子供を追いつめるようなことをしてしまった。やっぱりわたしは
親になんてなっちゃいけなかったんだ、と。

この事件がきっかけで、わたしは自分のやらかしてきたコトの
重大さに気づいて、目が醒めたような思いでしたが、一方では
もうどうしていいのかわからないような気持ちになってしまい、
すっかり子供を育てていくことへの自信を失ってしまったの
でした。

ぴよ子とはその場で仲直りしたのですが、だからといって、
わたしがしばらく続けてきてしまっていた悪癖がすぐに改善する
ハズもなく、それからしばらくして、ある朝、またぴよ子と
くだらない意地の張り合いで、大げんかをしてしまいました。
ぴよ子が生意気なことを言うので、わたしも頭にきて、そんな
こと言うなら、今日はお弁当作らないから!と言い放って、
寝室に閉じこもったのです。わたしは、なんとしてでも、ぴよ子に
謝らせたかったので、下から聞こえてくるぴよ子の声や様子を
伺いつつ、謝ったらお弁当を作ってあげよう、などと、冷蔵庫の
中身を思い浮かべながら、献立などを考えていたのでした。

ところがいくら待ってもぴよ子が寝室に上がってくる気配が
ないのです。よくよく耳を澄ませると、おかあさんがぴよ子に
心配させないように気を利かせて、お弁当は後で持っていくから、
とか声をかけて、園に送り出す様子でした。わたしは、え??
何??余計なこと言わなくて、いいのに、これはぴよ子と
あたしの問題なのに、、、とフォローをしてくれていたおかあさんに
頭が来てしまい、旦那がぴよ子を送ってくれた頃を見計らい、
下に降りて、おかあさんに、あんな風にしてくれなくてよかった、
これはあたしとぴよ子の問題だから、と言い放ってしまったの
でした。

おかあさんはおかあさんで、ぴよ子からは何の経緯も聞いて
いなかったようで、最初はわたしが単に寝坊してお弁当を作るのを
さぼったと思っていて、それで怒って、ぴよ子に心配かけない
ように、ぴよ子を安心させるような言葉をかけてあげていて
くれていたようだったのです。それでも、わたしが、ぴよ子が
謝りにくれば、お弁当を作ろうと思っていた、と言い返したら、
謝りに行けないような育て方してるからでしょ、あなたの
やり方は幼児虐待だよ、と厳しい口調で言い放たれてしまったの
でした。

ほんの数日前、自分の叱り方がエスカレートしているのが
心配、とおかあさんに相談して、平気だよ、って慰めてもらった
ばかりだったのに、おかあさんに、そんな事を言われてしまい、
わたしはパニックを起こしてしまいました。そして、言葉に
ならない大声を張り上げて、その場で泣き崩れてしまったのです。
何も考えられなくなってしまい、放心状態で泣き続けました。
そこにぴよ子を園に送ってきてくれた旦那が帰ってきて、
事態の異様さに、ただならぬ気配を感じた様子で、わたしを
構いにきてくれました。

それで、わたしはやっとの思いで、心の底に溜まっていた
思いの丈を、絞り出すように、吐き出したのでした。
実はその頃、旦那の仕事が忙しく、3ヶ月以上、一日も
休みがとれず、明け方家に帰ってきては、ベッドに転がり込み、
起きて昼過ぎには仕事にむかってしまう、という生活が
ずっと続いていたのでした。折り悪く、子供たちが風邪を引く
シーズンで、毎週毎週病院に通うような日々が何ヶ月も続き、
看病疲れもあり、わたしはくたくたになっていたのです。

旦那に、休みの日はないの?と聞いても、仕事の事で頭がいっぱいの
旦那には、ボロボロになっていたわたしの様子すら、面倒なことの
ようにしか映っていなかったらしく、わたしが追い込まれている
ことに、気づこうとしなかったようでした。ただ疲れて帰って
きても、わたしが不機嫌なことに逆にイライラしていたようで、
しょちゅう喧嘩して、いやな雰囲気になっていました。

ストレスが溜まっているようなことには、きっと気づいていたの
でしょうが、わたしがここまで追い込まれていることには
気付かなかったらしく、事態の深刻さに気づいて、驚いた様子
でした。その日と、その翌日、旦那は仕事を休んで、わたしの
側にずっといてくれました。それだけで、どれだけわたしの
気持ちが楽になったことか、どれだけ安心できたことか、、、。

しばらくして、これは心の病かもしれないから、と思い、
以前Akademeiaで心理カウンセリングの授業をとってお世話に
なっていた、藤原先生に、カウンセリングにかかった方が
いいのか、カウンセリングにかかるなら、どこかいいクリニックを
紹介して頂けないか、とメールを送ってみました。先生からは、
本人が辛いと思うなら、カウンセリングを受けてみるのも、1つの
手段だと思う、ただ、受けるなら、カウンセラーをしっかり
見極めた方がいいし、相性によっては、受けない方がよかった、
という事態になる可能性は否定できない、というような主旨の
お返事を頂きました。

それを読んでから、わたしは改めて旦那に相談をしてみました。
一度、カウンセリングを受けに行こうかな、って考えてる、と。
前々から、依存症の癖があることや、プチ鬱のような症状を
自覚していて、以前にも、旦那にそんな相談を持ちかけたことが
あったのですが、薬を処方されるだけだよ、止めておきな、と
わたしの身を案じて反対されていたのです。でも、今度こそ
本当にやばいかも、と思って相談してみたのでした。すると。
僕ですら知らないような、何か別のすごいモノが引き出されて
しまうかもしれないから、やっぱり止めておいた方がいいよ、
と反対されたのでした。

確かに、まだまだ手の掛かる子供を抱えてる今の状況で、そんな
わけの分からないものを掘り出してしまって、それを解消する
のに、何年も時間をかけなきゃいけないような事態にでも
なったら大変だし、もともと、薬を使っての治療にも疑問を
持っていたので、結局クリニックにかかることは断念しました。

それからもしばらくは旦那の繁忙期が続いたのですが、必ず
週に1日は休みを取ってくれるように気をつけてくれるように
なりました。わたしも、子供とのこともあり、それからも
しばらくは情緒不安定な状態が続いたのですが、それでも
なんとかAkademeiaには通い続け、帰りにはお茶をしたり、
お酒の席に顔を出したりと、外で発散するように心がける
ようにしました。色々な人がいて、色々な立場で、子育ての
悩みに意見をくれるのも、とてもいいリハビリになって
いったのでした。


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