「モノクロームの至福、原色の奈落」

この日を毎年、最愛の人の誕生日と呼んでいた。
けれど今まで一度もこの日を傍で祝える事はなかった。

性格的にそんなに目移りしない。
サイトの表紙はよく変えるけどね。
あまり惚れ易い方でもない。
長く続くだろう事とそうじゃない事が時が経つほど剥がれるから。
だからずっと好きでいられるという奇蹟みたいな事実に意味があった。
その人の気持ちが何処にあっても。
離れていても密かにお祝いした。
生きていてくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとう。
それがわたしのものじゃなくてもありがとう。

今年からはやめるわ。来年はきっと思い出さない。
今もお互い一人きりで居たならば、何時までもあなたを勝手に好きでいたことでしょうけど。


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