【虎の自叙伝〜その30】 高所恐怖症
だいたい高い所が苦手なのである。子供の頃は、歩道橋ですら怖かった。理由は定かでない。物心ついたときからそうなのだ。 小学生の時、初めて名古屋のテレビ塔に上った。それも階段で。あの階段上りは本当にびびる。なんせ階段の隙間から景色が丸見えで、気分はまさに空中浮遊なのだから。手すりに掴まりながら、ゆっくりゆっくりだ。特に怖いのは、下りの人とすれ違う時。必ずといっていいほど、その場に立ちつくしてしまう。初心者が車の運転で対向車とすれ違う時の心境だ。あれ以来、テレビ塔には上ってない。 こんなんだから、スキーは一度もやったことがない。理由はリフトが怖いから。リフトから落ちた人の話なんかを聞かされたらもうダメだ。あとは遊園地。初めて回転コースターに乗った時は、ほとんど目を閉じてた。バンジージャンプやスカイダイビングなんかやる人の気がしれない。それでも、今は少しはマシになった方だ。でも、ときどき大空を飛んでいる夢を見ることがある。何かの暗示なんだろうか。それとも・・・。
|