【四方山日記〜その22】 薪風呂
昔からぬるま湯が好きなのである。ぬるま湯といっても、本物のお湯の方なんだけど。 そもそも僕の実家は、薪(まき)でお風呂を沸かしていたから、一度ぬるくなってしまうと後が大変なのだ。再び薪に火をつけるまでは、二度と温度は上がらない。だから、ぬるま湯好きの僕は、決まって最後に入浴することになる。最近のお風呂は、温度調節なんかスイッチ一発でOKだと思うけど、薪で沸かす風呂は、この温度調節がなかなか思うようにならない。なんてたって相手は木を燃やす炎だから、その調節はほとんど勘の世界。要はドラムカン風呂の変形だと思ってもらえれば話が早い。だからこの調節をちょっとでも間違えると、お湯は沸点を目指してまっしぐら。湯船の沸き口の方に入っていると、マジでヤケドすることになる。 でもなんだかんだいってもあの薪風呂、決してスマートではなかったけれど、風情があってけっこう好きだったのかも。今ではほとんど見なくなったけど、時々ふっと入りたくなるんだよねえ、あの薪風呂。ぬるま湯好きなのはおんなじだけど・・・。
|