セクサロイドは眠らない

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2001年08月13日(月) 切り裂かれた体から、美しい血が流れ出す。その匂いが。血の匂いが。男をひどく興奮させる。

私はドール。空洞の体。交換可能な肉体。

ほら。また、今日も癒されない心が私の空洞の体に入りこんで来て涙を流す。肉体を失った恋。拒絶された心。

その恋は、男の元を、夜毎訪ねる。

「また、来たのか。もう来ないでくれ、と言ったのに。」
男は、それでも、部屋に招き入れる。男には逆らえない。

「見た目は違うが、お前なんだろう。もう、俺に付きまとうのはやめてくれ。」

私は、そんなことお構いなしに服を脱ぐ。

「今日はどんな風にしましょうか。」
私は、男の欲望をじっと見つめる。

「よしてくれ。もう、いやだ。」
「あなたには、やめられないわ。今日だって、部屋に入れてくれたじゃない。」

私は、ナイフで指に傷を付けると、男の唇にその指を差し出す。

男は、我慢できなくなって私を押し倒す。私の乳房を噛みちぎる。肉切り包丁に切り裂かれた体から、美しい血が流れ出す。子宮は洋梨の味。薄くスライスされた柔らかい肉が、男の口に入っていく。その匂いが。血の匂いが。男をひどく興奮させる。私の肉体を食らいながら、男は、私の肉の残骸に、男の欲望のほとばしりをかけ、長く長く続くうめき声を絞り出す。

肉を切り裂く行為はひどく疲れる。全てが終わると、男は、息も絶え絶えになって。それでも、その味は、彼が生きている理由を思い出させる。

あの夜も、そうだった。俺に付きまとった女を、部屋に招き入れた時。どうにも我慢できなかったのだ。

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今日も、新しい肉体で、私は男の元を訪ねる。

囚われた恋心、囚われた欲望。

囚われた者達よ。私の空っぽの体と遊んでちょうだい。


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