セクサロイドは眠らない

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2001年07月24日(火) 時間をかけて育てあげられた娼婦のように、手際よく男の快楽の波に寄り添ってくる。

男が、駅の改札を出て重い足取りで歩いていると、後ろから小走りにやって来た少女が「あなた、先生でしょう?」と微笑んで腕を絡ませて来た。中学生くらいだろうか。いや。高校生か。整った顔立ちが大人びて見えたが、体つきはほっそりとして、女性らしい丸味に乏しい。

人違いだよ、と言いかけて、気が変わった男は
「そうだよ。」
と答えた。酔ってるのか。商売なのか。

「ああ、良かった。」
と少女は笑い声を立てる。

「あなたの部屋に行きましょうよ。」
男は疲れていたので、少女の腕を振り払う気力もなく、手近なラブホテルに入る。

「ねえ。先生。今日は私、どんなことをしたらいいかしら?」
少女は、男のネクタイを外し、自らも服を脱ぐ。

「先生が戻ってくるのを待ってたのよ。」
男の上にかがみこんで、少女は男のモノをしゃぶり続けた。時間をかけて育てあげられた娼婦のように、彼女は手際よく男の快楽の波に寄り添ってくる。大人びた顔に似合わず、あどけない子供のように従順に男の欲望に組み伏せられて行く。

「ねえ、ずっと待っていたのよ。早く、先生をちょうだいよ。」

--

「また逃げ出していたのね。」
看護婦があきれたように少女のもつれた髪を梳かす。

先生に会いに行っていたの。

--

小学校2年の時少女の担任だった教師は、父親が失踪し、母親が男の元に入り浸りでいつも一人ぼっちだった少女を部屋に呼んで何くれとなく面倒を見てくれた。

「おいで。先生と寝よう。」
少女は教師に言われるままに布団に横たわる。

「先生のこと、好きか?」
「うん。」
「だったら、先生の言うとおりにするんだよ。」

--

小学校の6年になったある日、少女は初潮を向かえた。それを知った教師は困惑して、少女に別れを告げた。

「また、迎えに来るから。」
曖昧に笑って、教師は行ってしまった。

それからずっと待っているのだが、先生はいつまで経っても迎えに来てはくれないのだ。アタシが血を流したりしたから、先生は怒っているのかしら。


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