セクサロイドは眠らない

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2001年07月22日(日) 口づけて、乳房を強く掴んでくる。耳たぶを噛んで、潤いの中に指をうずめる。

昼近くになっても、まだ、裸のままでベッドに寝そべって、私は同じ曲ばかりリピートして聴いていた。

男が微笑んだ。
「その曲が好きなんだね。」
「うん。初めて会ったばかりで恋に落ちて、お別れして、でも、恋は永遠に続くっていう曲なの。」
「そういう曲が好きだったとは思わなかったなあ。何というか、キミはもっとクールな感じで。」
「言葉にすると陳腐なお話だよね。」

男は笑って、私に口づけて、乳房を強く掴んでくる。耳たぶを噛んで、潤いの中に指をうずめる。

「んん・・。」
「僕達も、初めて会ったばっかりだけど、何だかずっとこうやって付き合っていけそうな気がしない?」
「分からないわ・・・。」
「ずっと付き合おうよ。まだまだ足らないんだよ。キミとはもっともっとこうやっていろんなことをしたい。分かり合いたい。」

男は私の中に荒々しく入って来て、なかなか出て行こうとしない。昨日会ったばかりの男は、セックスの相手としてもなかなか優秀だけれど。

いつからか、私は、一人の男と二度以上ベッドを共にしなくなっていた。なぜと聞かれても困るけれど。常に一人の男との最初の交わりだけが私にとって意味のあることなのだ。

男が汗ばんだ体を横たえたところに、私はミネラルウォーターの入ったグラスを差し出す。

男が一息に飲み干した後で、驚いたように目を見開き、
「何か入れた・・・?」
と訊ねるが、そのままグラスを落として、男はもう、血を吐いて倒れる。

--

さようなら。

だから一度きりなんだってば。

明日はないのに。

--

それでも、私は時折その日に戻る。
また、最初から。会う前に戻る。会う前ならあなたとまた会える。

男が微笑んだ。
「その曲が好きなんだね。」
「うん。初めて会ったばかりで恋に落ちて、お別れして、でも、恋は永遠に続くっていう曲なの。」


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