セクサロイドは眠らない

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2001年07月20日(金) みんな私の体を好きなようにして来たんだから

ミツコは妾の子だと言われていた。父は最初からいなかったし、母も亡くなってしまった。おばあちゃんは、貝のように口を閉ざして、何も言わなかった。本来ならいじめられるところであるが、ミツコは母譲りの美貌のお陰で、周りの子が迂闊に手を出せないオーラのようなものを発していた。それでも、時々、女の子達の嫉妬や大人達の中傷のせいで辛い思いをすることはあった。

ミツコは、そんなことには慣れっこになっていたので、どんなことも受け流して、ただ、将来は力のある男と一緒になって、お金持ちになろう。そんな漠然とした幸福を夢見ていた。

ミツコに唯一友達らしき女の子がいるとすれば、それはアカネという女の子だった。アカネは、小学校の頃から多くの子分を引き連れている、女の子達のリーダー的な存在だった。そんなアカネは、ミツコの孤立が気に入らないらしく、時折、声を掛けて来ては何とか従わせようとするのだが、ミツコが適当にかわしてしまうのでそれ以上手が出せないといった状態だった。それでも、アカネは、ミツコのその美貌と、芯の強さに敬意を払っているので無茶なことはしてこなかった。他の子達が遠巻きに見ている中、唯一ミツコに話しかけてくるアカネを、ミツコ自身もそう嫌いではなかった。

中学になって、アカネにタカシという恋人が出来た。高校に行っている、村でも目立つ不良だった。そんなタカシが、ミツコに目を付けた。

ミツコは、タカシの家の使われていない納屋に呼び出された。ミツコは、タカシを前にして制服を脱ぎ始めたので、タカシは慌てた。

「どういうつもりだよ。」
「こういうことがしたくて呼んだんでしょう?」
「そうじゃないけどさ。アカネと別れるから付き合ってくれって言おうと思ったんだよ。」
「よく分からないわ。アカネとは別れなくたっていいじゃない。私とだってやりたければやればいいでしょう?」
「お前、本当に妾の子なんだなあ。噂は本当だったんだよなあ。」
「何言ってるの。こっちに来なさいよ。」
ミツコは、タカシを引き寄せると、タカシの唇を吸った。
「ねえ、男の人は、ね。みんな一緒なんだから。付き合うとか、付き合わないとか、そういうことは関係ないのよ。やりたがることはみんな一緒なんだから。ムラタのおじさんだって、シバタのじいさんだって、みんな私の体を好きなようにして来たんだから。あなたもそうなんでしょう?それとも、付き合ったら、何か別の物を見せてくれるのかしら?」
ミツコの華奢な体に似合わない、白い豊かな乳房が揺れた。タカシは、目の前の白い肉体の前で考える力を失ってしまった。

翌日から、タカシは学校を休んでしまった。

「ねえ。帰りに、湖のところで待っててくれない?話があるの」
アカネが言うので、ミツコは学校の帰りに湖のほとりまで待っていた。

「あなた、やりすぎだわ。」
アカネの声が背後から聞こえて、頭に衝撃を受けた。ミツコが倒れた上からアカネは馬乗りになって、ミツコの顔を何度も何度も、何か重たいもので殴り付けた。
「あなたのその美しさがなくなったら、あなたはおしまいよ。」

ミツコは、そのまま、母の夢を見ていた。そうだ。私が幼い頃、私の目の前で母は女に殺されていた。母もまた、美貌で、そうしていろんな男の人がうちに来ていた。そうして、誰か狂った女が来たのだった・・・。


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