セクサロイドは眠らない

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2001年07月03日(火) ろくに勃起もしないのに、私を抱きたがった

ウサギとキツネが一緒に暮らしていた。

ウサギと、キツネは、それまでずっと一緒にやってこれたのだ。二匹で食べ物を探し、分け合って、食べた。でも、ある日、食べ物が底をついて何も食べるものがなくなった。

「困ったね」

と、キツネは溜息をついた。

「これじゃ、僕達2人共飢え死にしちゃうよ。」

キツネは首を振った。そんなキツネを、ウサギは黙って見ていた。

「このままじゃ、僕が食べられてしまう。」

ウサギはそう思うと、怖くなって、キツネを殺してしまった。ウサギは、キツネの死骸を食べて生き延びた。それから、残りの日々、ウサギは、たった一匹で過ごした。寂しい日々だった。でも、ウサギは、

「僕が生き延びていられるのは、キツネくんのお陰だ」

と思うと、心が温かくなるのだった。自分がキツネを殺したことなんか、これっぽっちも覚えてやしなかった。

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男は、不精髭の伸びた顔で眠りこけていた。

妻が去った後、残された娘と一緒に、妻が去る原因となった愛人のところに転がり込み、最近では、愛人と娘のいる部屋にも帰らなくなっていた。

ウサギのように小心な男だった。

酒を飲み過ぎてろくに勃起もしないのに、私を抱きたがった。肝臓はカチカチになっていて、顔は赤らんで、体内から死臭が漂っていた。随分とくだらない男なのだが、そんなことはどうでも良かった。

私は自らの欲望に殺されてしまう男が大好きなのだ。


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