セクサロイドは眠らない
MAIL
My追加
All Rights Reserved
※ここに掲載されている文章は、全てフィクションです。
※長いこと休んでいてすみません。普通に元気にやっています。
※古いメールアドレス掲載してました。直しました。(2011.10.12)
※以下のところから、更新報告・新着情報が確認できます。 →
[エンピツ自由表現(成人向け)新着情報]
※My Selection(過去ログから幾つか選んでみました) → 金魚 トンネル 放火 風船 蝶 薔薇 砂男 流星群 クリスマス 銀のリボン 死んだ犬 バク ドラゴン テレフォンセックス 今、キスをしよう
俺はさ、男の子だから
愛人業
DiaryINDEX|past|will
2001年07月03日(火) |
ろくに勃起もしないのに、私を抱きたがった |
ウサギとキツネが一緒に暮らしていた。
ウサギと、キツネは、それまでずっと一緒にやってこれたのだ。二匹で食べ物を探し、分け合って、食べた。でも、ある日、食べ物が底をついて何も食べるものがなくなった。
「困ったね」
と、キツネは溜息をついた。
「これじゃ、僕達2人共飢え死にしちゃうよ。」
キツネは首を振った。そんなキツネを、ウサギは黙って見ていた。
「このままじゃ、僕が食べられてしまう。」
ウサギはそう思うと、怖くなって、キツネを殺してしまった。ウサギは、キツネの死骸を食べて生き延びた。それから、残りの日々、ウサギは、たった一匹で過ごした。寂しい日々だった。でも、ウサギは、
「僕が生き延びていられるのは、キツネくんのお陰だ」
と思うと、心が温かくなるのだった。自分がキツネを殺したことなんか、これっぽっちも覚えてやしなかった。
--
男は、不精髭の伸びた顔で眠りこけていた。
妻が去った後、残された娘と一緒に、妻が去る原因となった愛人のところに転がり込み、最近では、愛人と娘のいる部屋にも帰らなくなっていた。
ウサギのように小心な男だった。
酒を飲み過ぎてろくに勃起もしないのに、私を抱きたがった。肝臓はカチカチになっていて、顔は赤らんで、体内から死臭が漂っていた。随分とくだらない男なのだが、そんなことはどうでも良かった。
私は自らの欲望に殺されてしまう男が大好きなのだ。
|