セクサロイドは眠らない

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2001年07月02日(月) 消滅の時が来るまで再生を続ける

毎晩、男は私を殺しに来る。

ザクザク。

ザクザク。

男が私を刺し、切り刻む音が、耳に付いて離れない。

ある時は、激しい愛撫の末に髪の毛を引きちぎり、ある時は、恐ろしく冷淡に好奇の眼で、私の内臓をバラバラにして床に並べる。また、ある時は、手足を切り取った後で犯し、別のある時は、激しい恐怖に捕らわれて滅多刺しにする。私はそんな男をじっと見つめる。翌日、私の目は潰される。

だが、私は、夜毎、苦痛に叫びながらも、再生する。何度でも再生して、男を出迎える。

男は、切り刻みながら陶酔し、夜毎再生する前の私の顔を思い出せずに、苛立つ。

そうやって。毎夜。毎夜。

私を再生不可能なまでに殺すことは、男にはできない。私が死ぬ時期は、私にも男にも決められない。私は、消滅の時が来るまで再生を続ける。

そのうち、この男も、私を殺すことに疲れて、あるいは、発狂して、自らを殺してしまうだろう。すると、また、別の男が私を殺しに来る。

ザクザク。

ザクザク。


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