セクサロイドは眠らない

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2001年07月01日(日) 本当は痛くて、痛いよ、と言うと怒られるので、じっと黙っていた

迎えが来た。

「所有者」の家に、呼ばれて行った。「所有者」は不在だったので、通された部屋で待っていた。「所有者」の家には、たくさんのコレクションがあるようだ。

随分と待っていたので、ソファで夢を見た。

私は子供だった。
ベッドの上で裸にされて、いじられて、「気持ちいいか?」と聞かれるのだが、本当は痛くて、痛いよ、と言うと怒られるので、じっと黙っていた。

私は、また、子供だった。
母親が、誰からも見えない場所を、つねったり、引っ掻いたりするのだが、言葉に出すと怒られるので、じっと黙っていた。それから、「汚いから」と、冷たい水で体を洗うように命じられるので、言われる通りにしていた。

私は、また、子供だった。
死んだウサギを埋めていた。手には、ウサギのやわらかい首を強く締めた感触が残っていた。動かなくなったウサギをスコップの先でつつくと、気分が落ち着くのだった。

--

夢から醒めると、「所有者」がいた。

「私のコレクションと繋がっていたね」
と笑った。
「コレクション?」
「そうだ。『閉ざされた子供の心』コレクション。あの子達は空っぽだから、キミはすぐに感応して、入りこんでしまう。」

いやなコレクションね。
「ああ。そうだねえ。ひどいコレクションだ。でも、行き場がない者に、行きつく場所を作ってやるのは、そんなに悪いことじゃないよ」

私も、コレクションの一つ?
「違うさ。」

「作品さ。」
と言いながら、私の下着を剥がし、お尻を平手で叩くのだ。子供みたいに笑いながら、肩に歯を立ててくるのだ。

彼自身もが、彼のコレクションの中にいることに、ふと気付く。『閉ざされた子供の心』コレクション。


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