セクサロイドは眠らない
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私のWeb日記。
TOWN。
幾人もの私が、さまざまな街で。私は、日々別の街で目覚める。街は、路地があったり、黒ウサギが走り抜けたり、雨が降ったり、晴れたりしている。
それはWeb空間そのものと似ているけれど、一つ違うのは、それらの全てが、私という物語に繋がっていること。
誰かが通り過ぎる。私は、その人の後ろ姿を見ただけ。
あるいは、誰かが誰かを呼ぶ声が聞こえる。車がうなりを立てて走り去る。犬が散歩している。さまざまな音や色が、私の街で動いている。私は、生き物達に話し掛けたり、話し掛けられたり、黙って見ていたり。
私は勝手に動き、あなたも勝手に動くけれど、それは全て、一つの物語。
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そう言えば、黒ウサギからメールが来た。
「きみは、きみの物語を駆け抜けることに、とても急いでいる。なぜ、そんなに急いでいるかは、僕には分からない。だけど、一つだけ分かることがある。行き着く場所は今からでも変更可能だ。いつだって、変更可能だ。それだけは忘れないように。」
分かっていても、私には、なかなかうまく違う結末を見ることができない。
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驚いたことに、涼しい部屋に入って、汗がすっと退くように、体にべったりとまとわりついていた憂鬱が退いて行った。知らず知らずのうちに、感傷が黒いとぐろを巻いていた場所に踏み込んでいたらしい。
乾いた人の乾いた言葉で、自らを引っ張り上げて安堵する。
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ようやく分かった。 急いでいると、黒ウサギからメールが来るのだ。
とにかく、私は急いでいた。なんとなく説明しにくいのだが、自分をピンでボードに止めようとしても体が砂になって崩れて行くような気持ちにずっと捕らわれていたからなのだ。自分が砂になって行くのは、自分では食い止められない。ならば、走って、砂になってしまう前に行ける、近い場所に行こうとしていたようだ。そして、私はそこで砂になってしまうのだ。そんな妄想が頭を離れなかった。
よく見てみれば、私の人口皮膚は全然崩れる気配がなかった。
セクサロイドは眠らないが夢を見る。長すぎる夢を見る。
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