セクサロイドは眠らない

MAIL  My追加 

All Rights Reserved

※ここに掲載されている文章は、全てフィクションです。
※長いこと休んでいてすみません。普通に元気にやっています。
※古いメールアドレス掲載してました。直しました。(2011.10.12)
※以下のところから、更新報告・新着情報が確認できます。 →   [エンピツ自由表現(成人向け)新着情報]
※My Selection(過去ログから幾つか選んでみました) → 金魚 トンネル 放火 風船 蝶 薔薇 砂男 流星群 クリスマス 銀のリボン 死んだ犬 バク ドラゴン テレフォンセックス 今、キスをしよう  俺はさ、男の子だから  愛人業 

DiaryINDEXpastwill


2001年06月17日(日) 呪詛の種 & 歯車

言葉が来るのを待っていたのである。数週間ばかり。今回は、存外時間がかかり私は退屈していた。

私の欲情は、言葉を食らって育つのである。言葉がなければ駄目なのである。

言葉を欲していた。

男が、心を一番無防備にむきだしにしてくる、その一瞬に、種を植え付けるのである。種は発芽して、その芽は、男の心の妄想を吸って肥大する。そして、たくさんの言葉の果実をポタリポタリと落としてくる。私は、その果実を望んでいた。

時間がかかった。

その男に植えた種は、成長が遅く、果実がゆっくりと実を結ぶ。しかし、それはそれで、味が濃厚で好もしく思えた。

--

言葉は、使い様によっては力を持つ。それは事実。だが、しかし、自分に呪いをかけぬこと。自分のまいた種で、自分の心をがんじがらめにせぬこと。

--

歯車がズレている。不協和音を立てている。その音が聞く者を不愉快にさせている。

歯車のズレは、見えていて、治そうと思えば治せるのだが、今はズレたままで。

安定が、調和が、癒しが、必要ならば、なぜ人は酒を飲む?恋をする?快と不快がないまぜになった状態こそが、生なのではないのか。ドールは恋をしない。人形だから。歯車がきれいに噛み合って、動くから。歯車をズレるに任せて、擬似恋愛をしてみたいドール。人間とは、何と不安定で、そして、何と幸せな生き物なんだろう。

自分の不協和音をあざ笑うドール。偽りの音。空虚の音。


DiaryINDEXpastwill
ドール3号  表紙  memo  MAIL  My追加
エンピツ