cahier@enpitu
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2007年05月05日(土) ある休日

 淋しくても泣けるものなんだね。

 ひとを寄せ付けない殻をまとっている。この殻を破ってしまえば、中からはぐねぐねとした自分が漏れ出すのだろう。それが恐ろしくてますます殻を固めてしまう。悪循環だ。そうやっていながら淋しいと泣くなんて。

 探していたものがあったので、普段は行かない場所に行ってみた。その帰り道のバスの中で、もう10年以上も前のことを思い出して滅入ってしまった。
 他の誰もが覚えていないようなたいしたことのないことばかり覚えている。そんな無駄な記憶力はわたしを苦しめるばかりなのだ。以前は他のひとと話していても、わたしははっきりと覚えているのにそのひとは覚えていないということがよくあって、どうしてだろうと首を傾げていたものだった。他のひとが問題なのではなくて、自分が少しばかりイレギュラーなのだと気がついたのはいつの頃だっただろうか。他人と会話をする際には諦めもつくようになったけれど、自分の中では相変わらずこの記憶というものに苦しめられ続けている。願わくば忘れてしまいたい。たくさんのことを。


諒 |MAIL